週報タルトトタン

よく寝て、よく食べ、日曜ものかき。

#007 D.Q.O.のみなさん全員好き

 

 グノーシアのサントラ届きました。有難うございます有難うございます。
 SEまで入ってるサントラは多分初めてなのでなんだか嬉しいです。どうしよう個人的に何かに使おうかな。
 グノーシア発覚SEを職場からの着信音にすれば何とも言えない緊張感を醸し出しそうでいいですね。

 しかし馴れない考察記事なんて書くもんじゃないッスね!
 間違いがなかったかとか、話が循環してないかとか、公開した後も折に触れて気にしてしまったのでもう当分やらないつもりです。
 考えれば考えるほど、あと二周目を進めるほど「こっちが正解じゃん……」と悶絶しています。ウッ……。
 (神経が極細)

 という訳で今週はグノーシアの登場人物たち全員についてキャラ別感想のようなものを書いて、三週続いた謎フィーバーを締めたいと思います。
 こんなことになるなんて先々週の自分は予想もしてなかったよ。怪作のエネルギーって恐ろしい。

 思いつきで並べると訳が分からなくなりそうなので、乗員データ順に。
 以下、個人の偏った感想、斜め方向の推察、毎度容赦ないネタバレが入り乱れておりますのでご注意ください。

 

 

 

◯ ジナ

 初期メンバーにしてストーリー上の第一被害者。グノーシアが単純な人狼を炙り出すだけのロジックゲームではないと強烈に印象付けるイベントを担うキャラクター。
 乗員たちを騙して生き延びることに嫌悪感を覚え自らグノーシアと明かす回、乗員たちの救助を優先して生存を諦める回、どれも彼女が「人狼ゲーム向いてない」「けれど人物として好き」とプレイヤーに思わせる良イベントでした。
 特に救助回(宇宙空間に消える話)は「LeViィ!! エアロック開けてェ゛!! ジナ゛が!!! 戻ってないんだよォ゛!!!」と大騒ぎする羽目になりました。なんでそんなことするの……孤独を恐れる君が……帰ってきてよ……コールドスリープすれば良かったじゃないか……。
 直感が覚醒するとコメットばりに嘘に気付いて敵陣営にアタックし、危険視されて中盤にそっと消えてゆく印象があります。正義感に従って行動するところはセツに似てますね。
 あと仲が良いとすごくかばってくれる。情が深い。グノーシア陣営でも彼女だけは騙したくないと思わせる清廉さ。
 誠実・嘘を嫌う・情が深い、というだけあってセリフの一つ一つが重い。とにかく重い。ズバリと的確に無駄なく斬ってくる感じ。クリティカルヒット。人物をよく知らなかった序盤に見る「みんなの夢を見ると思う」は正直めちゃくちゃ怖かったです。今は泣けてくる。
 協力を申し出て「嫌……かな」と断られて涙橋を渡るプレイヤーと沙明は多い。しばらく寝込むレベルの辛さ。
 なので最初は「なんだなんだこの子、重いぞ」とビクビクしてましたが、知れば知るほど深く信頼できる、グノーシア随一の良心的人物でした。
 和食派はみんないい奴、古事記にも書いてある。

 

◯ SQ

 あらゆる意味においてギャップで落としてくるガール。一周目の初回ループでホイホイ彼女の口車に乗せられてセツを凍らせてしまったのはいい思い出です。
 混同してしまうとアレなので、便宜的に本当のSQちゃんの方を「白SQ」、人格移植成功ケースの方を「マナン」と呼びますね。黒SQじゃないんかいって話ですがグノーシアSQはSQちゃんじゃないので……違うので……。
 女主人公でも抱きしめさせてくださいよォ!?!?!?!?!?!?(大声)
 (※追記 抱きしめるコマンドは性別依存ではなかったようです。大変失礼いたしました。私は……私は一体何をしくじったんだ……?)
 (※追記2 二人っきりになれてませんでした。待ってて……二周目で待ってて……)
 白SQの年齢が1歳と知って「守らねば……」と心に誓ってしまうのは全プレイヤーが経験する道だと思いますがいかがでしょうか。その次のループでSQが疑いをかけられたときに「やめろよ!! SQちゃんはな!!!」と弁護してしまうのも然り。生まれたてやぞ!?!?!?!?
 議論のときはヘヴィにならない程度の疑い・同調をしてきて器用なのが非常に可愛い。白SQでもマナンでもセリフが変わったりしないのは(システム的な問題は別として)白SQちゃんが語彙や処世術のほとんどをマナンの記憶から学んでるからなんでしょうか。白SQがどこまで白SQなのか、と考えるとこれまたややこしい話になってきますが、ほんとに「達者な口以外は何も持ってない」状態と仮定するならどれだけ心細いのだろうな。
 しかし、グノーシアの時は中身マナンで確定というのはどういうことなんだろうな。過去の分岐でどんな条件付けがされているんだろう。
 つまり「マナンじゃなければ汚染され得ない」「マナンであれば確実に汚染されている=マナンは既にグノーシアだった?」「SQボディ自体はグノーシア汚染される状況にはなかった?」など推測したりしていますが、果たして。マナンについての謎が多すぎる。残虐性は汚染されてからのものなんだろうか? でも百年前からずっとあの調子らしいしな……分からん。
 とにかく白SQちゃんは生まれたてガールなので丁重に保護して差し上げろ、ということです(?)。

 

◯ ラキオ

 インテリ枠、SF的ファッション筆頭格、噛ませ、愛されキャラ、さらには文字通りに物語の「鍵」を握る重要人物……と、とにかく属性がてんこ盛り、物語に愛されたキャラクターです。みんな大好きロジック狂。
 ラキオも知れば知るほど好きになってゆくタイプのキャラだと思います。初見でいきなりプレイヤーを疑ってくるのが彼、流れるように凍らされるのも彼、さらには物語の重要局面で華麗にアシストしてくるのも彼と、綺麗に好感度を上げるための導線が引かれてますよね。ラキオはかわいいなあ(票を投じつつ)。
 うん? 汎の子の三人称って「彼」「彼女」ではまずいのか? 困ったな……とりあえず今回は彼として進めますね。
 中盤以降まで守り切ると生き生きと絶対に敵だ・絶対に人間だを使いだすのが非常にかわいらしいですね。なんかこう……小型犬をドッグランに放すとこんな気持ちになるんだろうなって……思います……。
 これは作中で明らかにされていないのですが、彼はなぜ銀の鍵を所持していたんでしょうか? 「グリーゼには戻れない」とこぼしていた覚えもあるので、もしや貴重品をパクってきたのか……? どことなく反体制的な思想を感じさせるので、銀の鍵関連でなくてもグリーゼで何かやらかしてそうな気はしますね。案外ヤンチャか!
 あとシャワーシーンでSQがラキオくんのラキオさんに言及したときにグノーシア発覚SEを使ってくるのは爆笑してしまうので勘弁してほしいです。ずるい。
 絶対モザイクにグノーシアマークをあてがわれる奴じゃないですかーやだー。

 

◯ ステラ

 別に隠し立てするような話でもないのでさっさと申し上げますと一番好きですステラ。かわいい! 大好き!
 「AI(擬知体)」「お姉さん」「カラーリングが緑」「秘書」と当方にクリティカルヒットする属性をお持ちの上、好きな色を緑に設定したためか仲の良い人によく上がってきたり、協力をしょっちゅう持ちかけられたり、そんなんで好きにならない方が難しいでしょうよ、なあしげみち!!
 彼女も男主人公でないと恋愛イベントに発展しないのが少々惜しいところではありますが(二周目男でプレイして早速抱き着かれてアワワ……どうどう……してます)、ほぼ仲が悪い人になったこともなく、女主人公でも距離の近いキャラクターとして認識しています。
 人間陣営として敗北した際のグノーシア顔アップが一番怖いのも彼女でしょう。初見の時は「エッヒュ!」と息を呑んでしまった。一生忘れねえかんな。泣くかと思ったわ。
 彼女のグノーシア顔は他の子と違って「異常をきたした・壊れた」感が強く、慣れてくると彼女らしくてそれはそれで良い気がしてきますね。良い……か? いや怖いな……。でもなんか癖になる……。
 ところでステラの持つ恋愛への憧れって、白SQちゃんとはまた違った幼さがあるんですよね。行動原理がどこまでも「おマセな女の子」なんですよ。LeViに発生した人間のような感情も完全に一個人として成立している訳ではなくて、あくまで精神は発展途上。白SQが依存するのが元マナンの経験であるように、ステラが持つ元の気質は擬知体としてのシステマティックな振る舞いであって、その上に未成熟な「女の子」が乗っかってる印象を受けますね。
 結論から言うと滅茶苦茶に可愛いということです。船の次の所有者にならなきゃ……(マジの目)。ジョナス氏ちょっと凍らない?

 

◯ しげみち

 しげみちになら騙されても構わん! とまで思わせてくれるのに、どこまでも嘘をつくのがヘタで騙してくれない気のいいリトルグレイ。しげみち殿がまた嘘バレしておられるぞー!
 最初のインパクト以外は徹頭徹尾気のいい奴なので、結果として作中随一のマトモで優しい友人になります。そんなしげみちの好感度が下がって夜会話で「お前はマジでイカン!」と追い返されたときのショックよ。ジナ協力却下の次に心に来るテキストです、個人的に。
 めっちゃくちゃいい奴なので、前述のとおりしげみちになら騙されて人間側敗北していいよ……と無条件に信頼したくなるのですが、直感をある程度伸ばしていると速攻で嘘に気付いてしまったり、あるいは自分が気付かなくても他の乗員たちから集中砲火を受けて沈んだり、敵方だと生き残れないことが本当に多い。
 この「嘘がヘタ」って良いですよね。いやゲームのNPCプレイヤーとしてはハンデでしかないのですが、こういうステータスから見えてくる性質って、彼らの性格をテキストだけでなくプレイ感からも裏打ちしてくれるので、画面の向こうで実際に彼らが生きている感じがします。イベントがない通常のループでも人物を描いてくる、これは凄いことです。本当に。
 ところでしげみちとラーメンを食べる会話シーンで、塩分濃度を測るために謎銃でビビビしたとき「おま……やめろ!」とマジに言ってしまったのは反省しています。ごめんて、なんかコズミックな隠し味を入れてると勘違いしたもんだから……。

 

◯ セツ

 一通りクリアしたプレイヤーならまず間違いなく「特別」と評するだろう、グノーシアにおけるナビゲーターであり相棒。夕里子評するところの「狂言回し」。
 これは多分何百回も言われてることだと思いますが、セツのようなポジションの人物が汎性、つまり男性でも女性でもない存在として設定されているのは絶妙ですよね。ヒロインでもあり、ヒーローにもなりうる。そして主人公が男・女・汎いずれであろうと違和感なく成立する。すごい。
 プレイヤーが初めて見るのがループ序盤のセツ(セツからしたら終盤)で、テキパキと先導してくれたり助言してくれたりと頼れる印象を受けるわけですが、デート(あれはデートだと言い張る)イベント冒頭で疲れてしまったセツに会い、夕里子相手に頑張りすぎるなと言うと立ち絵芸まで駆使してアワアワと動揺するセツに会い……とループを繰り返すうち、どんどん「あっ、完璧じゃないぞこの子」とイメージが変わっていくのが楽しいですね。
 最初のうちは本当、何でこんなに親切にされるんだろう……と不安になりさえするんですよ。疑り深いプレイヤーだと。だけどどうやら同じ境遇にあるらしいと理解して警戒を解いたあたりで、あの映画または釣りイベントですよ。私は映画を選びました。団地妻はモンスター。
 映画イベント、もうこれが最高なんですよ……ずっと気を張っているセツが初めてうたた寝するくらい安心しているところを見せるイベントじゃないですか。あそこで初めて「守らなきゃいけない存在かもしれない」となる。ターニングポイント。
 昨今のゲームでは珍しく、第四の壁を越えた上でプレイヤーに好感を抱いてくれる登場人物でもありましたね。メタ要素を含むファンタジーの常で、フィクション世界に介入する「我々」はたいてい闖入者・破壊者・異物として扱われがちですが、セツは違った。我々プレイヤーはセツを救うことができた。この事実がゲーム『グノーシア』とプレイヤーとの無二の絆であります。こんなに得難いことってありますか?
 ああセッちゃん。幸せになってくれ。

 

◯ シピ

 宇宙時代、多様性花開く時代においてその極北を独走していると思われるナイスガイ。あるいはにゃんこ。
 人間としてネコになるための手術をモグリに頼んでいるってことは、まあ宇宙時代においても別個体に人格を移すのは違法もしくは技術として確立されてない医療行為なんでしょうね。マナンの人格移植屋さんもそうでしたし。怖い怖い。
 自分、ガチの人狼経験者ではないのであくまでイメージでしかないのですが、テーブルトークゲームとしての『人狼』が上手な人ってこんな話術を使うんじゃないかと思っています。ちなみにネット人狼の方を得手とするのはラキオのイメージ。
 グノーシア陣営で仲間になるとめちゃくちゃ心強いメンバーの一人です。逆に直感で見抜いてくるし根回しも上手いから敵対するとかなり手ごわい。
 シピのセリフの端々から漂ってくる「人間社会によくあるつめたい何か」は、多分シピ自身が出身星で味わってきたものなんじゃないかと推測しています。
 曰く、人間の群れほど怖いものはない。つまり人間の大多数派から社会的に辛い目に遭わされた。仲間はネコだけだった。
 曰く、使えるものは何でも使う。人間の冷酷な面は嫌っているが、生き残るためなら人間としての自分や苦い経験だって使い倒す。
 ネコのように鋭く狡猾なイメージですね。プレイヤー(というか私)がシピに感じる相容れなさって、ネコ化したいという耳慣れない願望を持っているからなんて単純な話ではなくて、そういう底知れない部分からくるものなのかもしれないと思います。
 いやでもネコになりたい気持ちは分かるよ。正直とても分かる。実行に移せちゃう時代に居る君が羨ましい。

 

 

 おっといけねえ、また字数が膨れ上がった。ということで、あまり重い記事になってしまってもアレなので一旦ここで切り上げて、続きはまた来週に書こうと思います。
 結局まるまるひと月ほどグノーシアに入れ込んでいたことになりますね。だって面白いんだもの仕方ない。

 ではまた次の日曜に。