週報タルトトタン

よく寝て、よく食べ、日曜ものかき。

#012 UFOキャッチー


 はたらくUFO(スイッチ版)をプレイして、これがまあエラく可愛かったので今週はその話。
 衣装・栄光の記録のコンプリートはしていませんが、とりあえずストーリーはクリアしています。

 このテのゲームにネタバレも何もないような気もしますが、一応。
 本記事にはラストステージなどに関する情報が含まれていますので、未クリアの方はご注意ください。

 

 

 HAL研究所のゲームに触れたのはいつぶりだろう、と振り返ってみればXX年前の『星のカービィ64』まで遡る羽目になります。
 初めて手に入れたTVゲームの、記念すべき一本目のソフトがカービィでした。友達に遊ばせてもらって「ゲームにもかわいいのがあるんだ!」と衝撃を受け、ねだりにねだって買ってもらった思い出深い作品。
 コピー能力をミックスできるのも勿論そうですが、敵キャラを吸い込んで持ち上げたときのリアクションが様々で、これをしたらどうなるかな? という子供の好奇心(または実験精神のハシリ)を懐深く受け止めてくれる遊び甲斐に満ち溢れたゲームでした。
 飛行系のキャラを持ち上げて、ジャンプ→滑空したり、羽ばたきを利用してジャンプなしで進んでみたり、探せば探すほど色んな遊びがあって飽きなかった。何周したか覚えていません。
 長くプレイしても工場のステージの怖さには慣れなかったなぁ。大人になってからあのステージを振り返ってみると、遠景やらがなんとなくブラックな舞台背景を示唆していて「そりゃ怖いわ」となったり。
 ただカワイイだけではなくて、大人が子供を本気で相手にしてくれているときのような、なんとなくシニカルな雰囲気も随所に仕込まれていました。
 ボスぶっちでゲームオーバーになったときの「カイショウナシ」の意味が今になってようやく分かった……など。子供には難しいよ!
 でも「子供でも全部分かる」ようなものって、意外と子供にとって魅力がなかったりします。それとなく大人の世界のエッセンスを一滴二滴ほど混ぜてほろ苦くしてくれた方が面白い。
 そんな味付けがされた作品は、もちろん大人にとっても楽しいのです。子供向けの甘い物だと思って齧ったら、思わぬ味に驚かされたりしてね。

 

 前置きが長くなりましたが、はたらくUFOはそんな「味付けのセンス」を思い出させるゲームでした。
 見た目は (「「 ) ←こんな見た目のゆる~くカワイイUFOですが、タイトルからしてチラリと大人に視線がいってますよね。
 「はたらく」ですよ「はたらく」。英語版タイトルは「Part Time UFO」なんですって。バイトのことだったのね。
 はたらくって言ったって、お子さん向けのふんわりした表現なんでしょ? と気を抜いているとコレです。

 

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あっ紙封筒に入ったお賃金だ。貰ったことあるぞ。

 

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あっバイト雑誌だ! タウン○ークだ!!


 といった具合に「おっと、これは“マジ”のバイトの話が始まりますね……?」と早い段階で感付くことになります。
 「ざんぎょうしても いいことはない」など、大人がウッとなるチュートリアルも完備。
 私もしたくないデスヨ。

 そうしてバイトを始めることになったUFO。チュートリアルが終わったあとに続くタイトル画面は……

 

 

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六畳間。

 タイトル画面から上京直後の心細さとワクワク感が伝わってくる……!?
 さらに哀愁漂う口笛と「は~たら~く~U~FO~♪」がいいかんじに脱力させてくれます。

 なんだこの日常感!!

 

 ……といった具合で、序盤からガッチリとプレイヤーの心をガッチリと掴んできます。
 これはズルい。

 そのあともステージ開始時のざっくり説明で笑かしてきたりしますが、真骨頂はコレ。
 ラストステージの最終盤、ラスボスが逃げようとしたところに……

 

 

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 この圧のあるメッセージ。

「ママ~、せきにんしゃってにがしちゃダメなの?」
「よし子、責任者はそもそも逃げちゃダメなのよ……」

 そんな会話がどこぞのご家庭から聞こえてきそうです(聞こえてくるか……?)。

 

 あとおきがえ要素もかなり充実していて、どれもめちゃくちゃに可愛いです。
 オススメのコスチュームを三つほどご紹介しましょう。
 ついでに言うと着替え画面のBGMが一番好きかも。

  き~がえる U~FO~♪ ドゥンドゥン \ゥワゥワ/ ドゥンドゥン \ゥワゥワ/

 

 

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【シノビしょうぞく】

 ビュンビュンすばやいUFOになれるぞ! みんな(特に海外の皆さま方)が大好きNINJAコスプレ。
 トレードマークのしましまスカーフがイカしてます。かわいい。
 他にも移動速度が速くなる衣装はあるのですが、「はたらきバチ」「ぬいぐるみわんこ」あたりは速度が物足りない。「リアルユーフォー」あたりまでいっちゃうと速すぎてプレイヤーがついていけない。ので、移動スピードが欲しいときにピッタリもってこいのコスチュームです。

 

 

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【あんぜんヘルメット】

 かわいさ以上に実用性がサイコー!
 プレイヤーが操ることになるUFOは移動に慣性がかかっており、特に重いものを運んでいるときはユラユラと思わぬ方向へ動いていってしまいます。
 上手に高く積み上げよう! というミッションも多い中、設置をより正確にこなすため空中でピタリと止まりたい……
 という時にオススメです。具体的に言うとミュージアム復旧のお仕事あたり。
 ラボラトリーでロケとの雰囲気を合わせたいときにももちろんオススメ。

 

 

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【タイガースーツ】

 はいサイカワですね。うーんトラ柄が実にキュート! 揺れるしっぽも大変アトラクティヴ!
 機能的には「がっちりホールド」、つまりオブジェクトを掴むパワーが他より強いようなのですが全然意識したことがありません。多分便利だとおもいます。
 それは置いといてとにかくかわいい。
 Lボタン・Rボタンを押すと固有のアクション(とくに機能的なイミはない)をしてくれるのですが、このLボタンアクションは「にくきゅうを出してがおーってやる」なんですよ。
 エッ……!
 もしかしてかわいい……!?

 

 

 テキストも音楽もアートワークも、実にキャッチー。すごく好き。
 端々にのぞくリアリティにフフッとさせられながらあっさりとクリアできるちょうどよさ、税込980円というお手軽さも相まってヒトに勧めて回りたい良作です。

 ただクリアしただけではトロフィー・実績にあたる「栄光の記録」が1/3も取得できておらず、ゲーム内要素をコンプリートするとなると相当骨が折れそうです。やりこみ面でもコストパフォーマンスは良さそうですね。試しに一つ、サーカスのステージで片方の棒だけにおサルを乗せるという条件にチャレンジしてみたのですが、えげつない難しさですねコレは(私がヘタなのも大いにありますが)。
 しかし高難易度一辺倒ではなく、例えば「けんせつげんばの城をすべてさかさまにしてクリアする」なんかは、冒頭で話した「コレをやったらどうなるかな?」という好奇心にお墨付きをくれているようで、お茶目で素敵な実績だと思います。
 ……あ、いや、実際にやったらこっちもえげつない高難易度なのかも。後でやってみよう。

 

 そんなこんなで、クリアまで駆け抜けました『はたらくUFO』。
 大人のままに童心に帰ることのできるナイスなUFOゲーに出会えた、という話でした。

 

 来週は何の話をしようか。
 では次の日曜に。