#084 好きな漫画の話
今週は最近読んで好きだと思った漫画の話。
最近、読み終わった書籍(漫画、小説、その他書籍、区別なし)の読了ログをTwitterに書き始めましたので、それに補足する形でなんとか感想記事の体裁を整えようという目論見です。
基本ネタバレなしのさっくりした感想なので、次に読む漫画をお探しなら何かのお役に立てるかもしれません。
また、いずれも電子書籍(Kinoppy)なので、その点も何かの参考になれば幸いです。
あと個人ブログが勝手につかっていいもんか分からなかったので画像は一切載せてません。漫画の紹介記事なのに面目ない。
タイトルをチョチョッと検索すればすぐに出てくるはずなので、そこはどうぞ上手いことやっていただければ……。
【プリンタニア・ニッポン】
【読了】プリンタニア・ニッポン 1~2
— 佐々川トタン (@tarte_tutan) 2022年1月23日
[著]迷子
スアマチャンカワイイ!!なSF系日常漫画……のはずが、要所要所でハードなディストピアSFの片鱗を覗かせてくるので読んでて常にドキドキする。でもスアマチャンをはじめとする謎生物プリンタニア、佐藤たちのまったりした人間関係に癒されるので帳消し。
どれほど先の未来か分からない世界の日常SFもの。
生体を作り出す3Dプリンターで芝犬を出力しようとした主人公「佐藤」、しかしプリンターの不具合で白くてもっちりした謎生物が目の前に現れた!
プリンタニア・ニッポンと名付けられた謎生物たちに癒される、まったり進行のお話です。
大小さまざまなプリンタニアたちが可愛くて、動物が好きな人なら絶対に心を鷲掴みにされるんじゃないかと思います。
ほんわかとしたプリンタニアたちとの生活描写の一方で、彼らが住まう世界はおそらくポストアポカリプス物の黄昏の世界で(要所要所で世界観に関わる描写が出てきますが、最新刊2巻の時点では歴史は明確に語られていません)時折不穏な陰りが見て取れるのも目が離せません。
とはいえ主題はプリンタニアなので、もしかしたらその辺は最後まで語られないのかもしれない……きっと作者さんは細部まで考えておられるはずだけども。
是非とも詳細を知りたいところです。
3巻早く出ないかな……。
【ダンピアのおいしい冒険】
【読了】ダンピアのおいしい冒険(1~3)
— 佐々川トタン (@tarte_tutan) 2022年3月29日
[著]トマトスープ
完結済みかと思いきやまさかの4巻に続く! 先が気になってしまう……。シンプルで小気味よく、そしてどこかフェティッシュな絵柄で描かれる、史実を下敷きにした航海譚。読んでいると肉と果物をしこたま食べたくなる。続刊楽しみにしてます。
17世紀に実在した人物ウィリアム・ダンピアの航海をベースに、ドラマティックな海洋冒険物語として再編した浪漫あふれる漫画。
作者さんの歴史への造詣・愛の深さに驚かされるばかり。また当時の航海の過酷さに眩暈がしてくる場面も。
現代があるのは、こうした中世〜近世の積み重ねのお陰なのだナァなどと。
なんでも食べてみようとする好奇心が読者として見ていて面白い。たまに「これ最初に食べた人アタマおかしいな」みたいな食材ありますよね。それです。その「最初の人」の習性を垣間見れる。
また特筆すべきはそのシンプルで可愛らしくどこか艶っぽい、魅力的な絵柄。どこかで見かけた一コマの可愛さにやられて、なんとか検索を駆使して辿り着きました。
フィルタを外すとみな船乗りのむさくるしい男どものはずなのに、サラサラ読めてしまうのはこの愛嬌のあるタッチのお陰かもしれません。
そろそろ次巻の4巻が出るそうですよ! 楽しみ楽しみ。
【ダンジョン飯】
【読了】ダンジョン飯(1〜11)
— 佐々川トタン (@tarte_tutan) 2022年4月10日
[著]九井諒子
この週末で一気読み。九井先生の漫画は短編集から入ったクチです。細やかで気持ちのいいタッチで描かれる異色ののwizライク冒険グルメ漫画。迷宮に関わる人物たちの思惑がぶつかりあい物語は佳境に……な局面で次巻待ち。楽しみ。ファリンちゃんかわいい。
この作者さんの漫画は短編集「竜の学校は山の上」「竜のかわいい七つの子」「ひきだしにテラリウム」が大好きで何度も読み返していたのですが、このダンジョン飯だけは、勿体無いことに私の「安易にド◯クエ的世界観を流用した異世界転生ものアレルギー」が過剰反応してしまい、長年距離をとっておりました。
が、杞憂でした。
とある信頼できる方が推しておられたので「九井先生だし大丈夫かもしれない……」と意を決して読んでみたところ、これが……素晴らしい……。
先述の短編集で散見された「生き物を料理するときのカラッとした描写」「生物への造詣の深さ」「異種族たちの衝突と共存」「それら全てへのあたたかい眼差し」が随所に詰まっている、ファンタジー漫画の名作じゃないですか。なんでもっと早く読まなかったの!
wizライクな世界観の解像度を極限まで高め、その世界の社会構造、生態系、歴史、各種族の価値観、これらが緻密な絵柄でコミカルに時にシリアスに語られてゆく様は圧巻です。
作中世界が生きている様がありありと感じられるので、漫画を読みながらまるでテラリウムを覗いているような感覚に陥ることもしばしば。
また、人物たちの来歴や内面も絶妙な距離感で描写されてゆき、結果として誰も彼も好きになってしまいますね。
特にファリン……(それは私の“ヘキ”のせいだろ)。
この土日で既刊全て読みました、ええ。ガイドブックも買って今読んでます、ええ。
よってこの毎週日曜のブログ更新もギリギリのギリギリまで遅れました。言い訳以上。
読了ログに沿って記事を組み立てたので、今回はあくまで最近読んだ作品に限定されましたが、過去に遡れば好きな漫画はもっともっと出てくるので、それについては後日改めて別の記事にしようと思います。
といったところで今週はここまで。
また次の日曜に。