週報タルトトタン

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#091 マドリカ不動産、破ァ!

 

 次回作制作決定ということで、やってみましたスイッチ版マドリカ不動産。
 プレイ時間は7時間。最終コインは101枚。完全クリアのはず。

 ゲームといえばもっぱらデジタルで、テーブルゲームやイベント型ゲームなどのアナログなものには殆ど触れてこなかったもので、かなり新鮮な体験でしたマドリカ不動産。
 面白かった!

 せっかく記事にするんだから、各ステージの引っ掛かりやすい部分に関する一言ヒントでも書いてみようかと思ったのですが、ゲーム中のヒント機能及び公式ページの解説がめちゃくちゃ親切なので……オデ……オデやることない……。
 ので今日は普通にサラッと感想だけ。

 (公式ページの解説、いきなり答えを書いたりせずに、進行度ごとのヒントを一つずつ並べていった上で、最後の最後でネタバラシをする構成になってます)
 (まだまだ自力で考えたい未クリア者にも安心安全のバリアフリー設計!)

 

 

 ゲームの概要については公式紹介ページが何よりも詳しいので、知らない方はそちらを見ていただくとして……。

 

gift10industry.myshopify.com

 

 ヒントを兼ねる“間取り図”、実際に物件内部を探索する“ゲーム画面”、この二つが融合して初めてゲームとして成立するのがなんとも真新しい。
 紙+ゲーム機といえば「Nintendo Labo」が記憶に新しいですが、こちらはもっと敷居が低く、事前準備はPDFファイルを23ページほどプリントしておくだけ。
 ゲーム本体も1500円とお手頃価格です。
 サッと始めてサッとクリアできる。素晴らしい。

 

【脱出ゲーム入門編として最適】


 自分、元々は脱出ゲームがあまり得意ではなかったのですが(いちいち手元にメモ取ったりするのが面倒で)、ここまで丁寧に「便利な間取り図があるのでメモしてね!」とお膳立てしていただけるならば話は別。

 重要そうなことは間取り図に書き込み、ちょっと進めて実際にヒントとしてメモが役に立つこともあり、あるいはもっとキチンと書き写すべきだったと戻ることもあり……うまく言えないのですが、この「何のために書き残しているか?」の目的部分がボケない作りになっているように感じました。

 また、脱出ゲームとしては得られる情報がかなり絞られているのも初心者向けポイントかなと。
 謎解き中に余計な情報が混ざらないように、

 

 ・メインストーリーと各物件には何も関係がない(ステージ外の情報が混ざってこない)

 ・各物件にストーリーがほとんど設定されていない(謎解きに関係ない意味深な情報が仕込まれていない)

 ・プレイヤーは歩き回れない(3Dゲームとしてはこれで視覚的にかなり情報が絞られる)

 

 この辺が徹底されているのが有り難かったですね。最初は移動も呪文かよ! と思ったのですが、慣れてみれば特に問題なく、むしろ歩き回れた方が訳が分からなくなりそう……と思い直しました。1マス1マス進むタイプのステージは流石にしんどかったですが。

 謎自体も物件15くらいまではあまり凶悪なものはなく、詰まってもちょっと考え方を変えるだけでピンとくるように出来ている、なかなか絶妙な匙加減でした。

 

 物件18「おばけプラネタリウム」、物件20「最後のシマシマ迷宮」にはかなり梃子摺りました。
 特におばけ! 流石にシアターBは分かり辛すぎませんか! 電気を点けてしばらくは見える「線」、もう少し長く表示してほしかった……。思わずスクショ撮りました。

 

 

 物件19「いつかの小部屋」が一番好きでした。
 ここまで「各物件にストーリーやメッセージ性はない」と言いましたが、ここだけは謎かけの仕様上、うっすらと物語が透けて見えます。二転三転する小部屋の並びを見ながら、視点を変えることで6枚の紙にこれだけの法則性を与えられるのか……! とワクワクしておりました。好き。

 

 

【システムは……】


 謎の難易度、印刷用のPDFのクオリティ、これらが高水準だっただけに、肝心の「スイッチで動かすゲーム部分」に気になる点が残るのがやや惜しいです。
 謎解きに支障が出るようなものではないので、ゲーム総体としては問題なく人に勧めて回れますが……お手頃価格だし。

 いち趣味ゲーマーとして気になった点をいくつか。

 

 《オプション画面の不在》
 オプションがないのは面食らった。デフォルト音量がかなり大きめに設定されているので、ここは調節させていただきたかったです。

 

 《安定しないフレームレート》
 ボスキャラがいたり、オブジェクトが多めだったりする部屋でフレームレートがガタ落ちします。
 謎解きのヒントさえ読めればゲームプレイに支障ありませんが(アクション要素もありませんし)、そのヒントを探してけっこうグルグル見回すことになるので、人によっては酔うかもしれません。
 常に低レートならいいのですが、部屋によって変動されるとアタマが慣れない……。

 

 《地図をBで閉じられない》
 すごくどうでもいいポイントですが、マイナスボタンで開いた地図をマイナスボタンでしか閉じられないというのは、なんというかこう……なんか……。

 

 《トベールの初期方角設定》
 これは意見の分かれるところだと思います。
 多分、トベールは初期正面位置が固定されていると思うのですが(一応物件2で検証したけど他の物件でも一律にそうだったか確証がない)(自力で検証せえや)、個人的にはプレイヤーの向いている方角はキープしたまま移動させて欲しかったです。
 「こっちが北!」と思いながら飛んだものの、飛んだ先では強制的に西向きにされた……という展開が多く、最初はかなり戸惑いました。
 ただ、慣れればドアの位置やオブジェクトの配置などを頼りに方角をすぐ把握できるようになります。慣れの問題。
 最初にバーンと見せたいヒントがある等、視覚的演出の問題もあるかと思うので、この点はあくまで私個人の好みの問題ですね。

 


 システムについてヤイヤイ言いましたが、一応ハッキリさせておきたいのは、このマドリカ不動産というゲーム作品は

 

「印刷した間取り図に書き込んだり、切ったり貼ったり回したりして」
「分かりそうで簡単には分からない絶妙なパズルを解きながら」
「ゲーム機のボタンで呪文を手打ちし」
 ↓
『オバケ物件に自力で挑んでいる感を得る』

 

 という複合的な体験が面白さのコアになっているので、システム云々だけで簡単にスポイルされたりはしませんよ……ということ。
 実際にやってみるとこの没入感はなかなかクセになりますよ!

 

 ステージは全部で20+α、10時間にも満たない体験でしたが、かなり満足度が高かったです。
 いや嘘。ちょっと物足りない。続編の情報が来たらすぐキャッチせねば。

 

 といったところで今週はそんな感じ。
 最近は話題のストックが多めで嬉しい限りです。来週は何の話にしようか。

 それではまた次の日曜に。