週報タルトトタン

よく寝て、よく食べ、日曜ものかき。

#093 王立穴ポコ学園、仰げば尊し

 


 はい。
 クリアしました。王立穴ポコ学園。

 80時間超えました。プレイしてもプレイしても楽しいし飽きないし終わらないしで、いつになったら最後の感想記事を書けるのかとドキドキしておりました。
 このボリューム感たるや何事かと。わんこそばかと。ふえるわかめちゃんかと。

 

 

 まるまるひと月の充実したゲーム生活を送れました。2022年個人的ベストRPG

 

 追加日程や難行課題(クリア後要素)には一切タッチしていないので、今回は《ストーリークリアまでの感想記事》となります。
 引き続きプレイする予定ではありますが、実際にクリアできるのはいつになるか全く読めないので(あとプレイ技術的にも完走できるか自信がない)、ブログに書くのはこれが最後になると思います。

 今回はストーリー全般に関するネタバレ、中盤〜終盤の画像、大課題最終ステージに関する情報などを含みますので、未クリアの方はブラウザバック推奨です。
 未プレイの方はさっさと買ってくださいね(圧力)。

 

 

 

【クリア時の状況】

 大課題を3回ほどダブり、16年目にようやくクリアできました。
 下級・上級全クラスの指南書をそれぞれ16〜19くらいに平等に上げるようにプレイしていたので、使いたいクラスに絞って育成すればもっと効率的に進められそうです。その場合は大課題もダブりなしで行けるんじゃないかな。

 大課題最終日の平均段位は3年生中心の38、上級課題は最終日までクリア済。
 パーティー構成は以下の4人です。

 

 オースティン。初の再入学キャラです。
 ガーディアン→侍→戦士を経由し、守備の高いメイン火力として活躍してくれました。狂乱の舞持ちの斧をブン回す前衛その1。
 再入学に来てくれたオーくん先輩が最終学年としてラスボスに勝つ展開、熱すぎんよ……!
 シャロちゃん先輩はまだ来てくれない(つらい)。また君に逢いたい……。

 

 エスメラルダ。
 スマイルブリンガ→タキオンスターの順当進化。高い器用ステを活かしてバリケードを築いたり、袋小路を作るために床に穴を開けたり、更には回復・弱体・ゴーレム召喚等々、とにかく役割の多いアイドルでした。

 

 ウィルマ。
 クレリックワーロックの順当進化。こう見ると紙装甲すぎて心配になる。
 強すぎるインドラの矢、その他APを消費するもの全般を担当してくれました。複数エリア攻撃をほぼ確実に装備できるので魔法職は必須ですね。

 

 ユタコ。先輩方に混ざって唯一の2年生。
 戦士→侍で育成途上。狂乱の舞と連環迅がついたクソ強カタナが手に入ったので、そいつをブン回して大活躍してくれました。ブン回し前衛その2。

 

 これが正解! という訳ではなく、割とどんな構成でもストーリークリアまでは突破できるんじゃないかと思います。この4人組も割と「流れでこうなった」というだけで、ラスダン攻略を意識して育てた子たちではないので。

 育成よりは立ち回りでどうにかする云々の話になるとちょっと込み入ってくるので、その辺は別項にて。

 

 

【トレハン要素】

 やっぱトレハンが楽しすぎた。

 このワードだけに釣られて購入した甲斐がありました。必須トレハン酸を十二分に摂取できる、昨今では貴重なゲームです(トレハン酸ってなんだよ)(科学的根拠に基づけ)。

 いい武器ドロップが来たときの快感たるや凄まじい。大課題はいい武器やLvの高いスキルがたくさんドロップするので、毎年1月が楽しみで仕方ありませんでした。
 小課題は大課題に比べると割と渋めですが、玉石混交の“石”であってもゴーレムの素になったりと無駄がないので、むしろ有れば有るだけ嬉しい。

 高Lvドロップが来ると戦力がドンと向上するのがトレハンゲーのお楽しみ。
 私が今回なんとかストーリークリアまで漕ぎ着けたのも、高Lvの「ツバメ切り」「狂乱の舞」「連環迅」「インドラの矢」がついた武器をゲットしたからといっても過言ではありません。マジで。アレがなかったらもっと苦戦してました。

 途中まで全然いいスキル持ちが落ちなくて「斧とかゴミじゃんね」と思っていたのですが(ワイルドファングはもっぱら拳使い)、スター武器が1つ手に入るだけで勢力図があっという間に塗り変わりました。ドラマチック。
 拳はね……ボディーブローと連続行動系が全然同居してくれなくてね……。

 いい武器だよ〜ホラ有効活用してね〜と装備させた時に「武器に使われてる気がする〜」みたいなコメントが出たりするのも好きでした。
 ナイスコメント。

 

 

【難易度】

 前述の通り、徹頭徹尾スキルゲーだったなぁと。

 トレハンするのも、クラス指南書を育てるのも、姫様からアクセサリを頂戴するのも、全部いいスキルを揃えるためでしたね。
 生徒たちの段位を上げることすらも必須スキルを積むためと言えます。ステータスの伸びももちろん大事だけども!

 

 RPGと聞くと武器や防具を更新してゆくのかな〜と思いがちですが、プレイヤーが生徒に持たせるものは殆どスキル。
 つまみ食い、エクストラチャージ、キュアオール、アーマーブレイク……メンバーが入れ替わってゆくRPGにおいて、役割をある程度続投させる(先輩の居なくなった穴を後輩が埋める)ためにクラス不問の装備品=スキルがあると考えると納得がいきます。
 長い目で見ると、プレイヤーが育てていたのは生徒たちではなく部の所蔵品のラインナップだったのかもしれませんね。

 

 ただ、思い通りにラインナップを更新できるのかというと決してそうではなく。ランダムドロップ依存なので、欲しいものを待って年数を重ねるよりはアリモノでどうにかする方が遥かに進めやすいです。
 この《アリモノ戦法》がとても楽しかったんですよ。

 基本的に新入生は「星の多い子優先」「いないクラスの子を補充」を方針としてスカウトしていたので、先輩が卒業するのは部から特定クラスのスター選手が欠けるのと同義。
 この穴を埋めるべく、前述のとおりクラスをどうにかやりくりして役割を継承したり、ときには分担したり。あるいは持ち合わせのスキルや得意武器の兼ね合いで穴のままになってしまったり。

 このアリモノ戦法によるやりくりが毎回ドタバタしてしまって、面倒で、だからこそ楽しかったんですよ。手が掛かるって可愛さそのものなんよね……。

 

 そんなドタバタをするにつけ実感するのが、4人という頭数の絶妙さ。
 あれもこれもいい塩梅のクラスなのに、実戦に投入できるのは4人しかいないのが毎度もどかしくて悩ましくて最高でした。
 特に後衛は世代によって毎度カラーが微妙に変わってくるので(後衛職のバリエーションの豊富さ故)。

 例えば、某世界樹的に傭兵科・獣道科・情報科・技術科・魔術科の5人パーティとかができてしまったら、それはもうプレイヤー側圧勝のヌルゲーなんですよ。ダメージも分散するし。
 一方を採用すればもう一方は切り捨てなければならない。が、スキル構成で切り捨てたものを補完することも出来なくはない。
 メンバーを入れ替える度に発生する編成画面とのにらめっこ、楽しかったです。

 

 クラス指南書の育成について。傭兵科、魔術科は下級職が2通りあるから育ちやすかったですね。常に居るクラスは育ちが早い。
 (侍とワーロックがつよい……)

 

 難易度といえば、ラスダン。
 あれなんなんですかね? マップ難易度というか“殺意”跳ね上がりましたよね?

 

 ブラックナイトまで攻撃後にジャンプしてくるなんて思わないじゃないですか!!
 アルビノタウロスの攻撃力高すぎませんか!? ガードの上からゴリゴリ削ってくるよあいつら!!
 地獄だよ地獄!!

 

 あの最終マップのおかげで「袋小路で背水の陣」「バリケード設置」「地面光属性」「アルビノタウロスゴーレム召喚」が最適解と気付けた……。
 2回はhageました。

 

 Q. ラスボス直前のマップで逃げ回った挙句、必須戦闘ではないと気付いた時の心境を30文字で述べよ。
 A. 徒労感を通り越して逆に殲滅してやるという決意で満たされた。

 

 そんなマップを乗り越えてのラスボス。結局、タイマンはそんなに苦じゃないので(狂乱持ち2名体制だったし)順当に勝てました。
 せめて正面切って戦いたかったのに、私の采配ミスで《コアと融合し暴走した実行者メルキオール VS その右脇を執拗に斬りつける生徒たち》の構図になってしまったのは反省しています。何がとは言わんが彼には申し訳ないことをした。

 

 

 

【グラフィック、音楽、演出】

 視覚的にも聴覚的にも「気持ちがいい」、この一言に尽きます。

 フィールドは極論を言ってしまえば正方形パネルの組み合わせでしかありませんが、それを「鬱蒼とした森」「険しい登山道」「得体の知れない砂漠」に見せるアートワークの力は素晴らしいですね。
 平面をウロウロするプレイヤーパーティーを上から眺めているだけなのに、精巧なテラリウムの中で暮らす小さな生き物たちを覗いているような気分になります。

 人物たちのドット表現も凄かった。立ち絵のないキャラにも個性を見出せる表情差分、芸コマなモーション、漫画チックで可愛らしいエフェクト。
 あの頭身であそこまで表現できるものなんですね……。差分が多すぎて執念を感じました。
 デカ頭身の子たちもフェティッシュで可愛かったです。カスパールさんがエ(手記はここで途絶えている……)

 生徒、NPC、モンスターたちの上下左右差分、モーション差分……ドット描きすぎじゃないすか? 作業量を思うと震える。

 

 

 音楽ね、めっちゃいいっす。
 ドット推しのインディーゲーはピコピコサウンドを前面に出してくることが多いので(ファンとしてもそれを求めているフシがありますが)穴ポコ学園もてっきりそっちで来るかと身構えていたのですが、ピコい(?)音源はあまり出てこなかったように思います。

 それが却って見下ろしドットの世界にリアリティを与えていましたし、そういう演出的解釈を抜きにしても街、ババアの店、フィールド、戦闘、BGMはみんなイカしてました。
 前作サントラの配信が始まったようですし、穴ポコ学園のサントラもApple  Musicとかに来てくれたら嬉しいですね……。

 

 

 あとエフェクトも凄くよかった。
 トレハンものってアイテムドロップの瞬間がキモだと勝手に考えているのですが、穴ポコ学園はポロンポロンチャランチャラン出てくる感じがとってもキュートで快かったです。

 SE、アイテムの動き、キラキラのエフェクト、全部いいですよね。戦闘が楽しくなる。中毒性高し。
 通貨の見た目がクラウン=王冠=ビンのフタの形なの、ミニチュアの世界みたいで大層可愛い。

 

 

【ストーリー】

 泣かされました(告発口調)。
 こんな厚みのあるSF的ファンタジーになるなんて、プレイ開始当初は思いもしませんでした。

 

 受容者のカスパールは人間の自由意志による平和の永続を望んでいた → しかし結末はいつも混沌だった。
 実行者のメルキオールは上位存在として平和を維持するべく介入しようとした → しかし攻撃を伴う実力行使は禁止されていた。
 調停者のバルタザールは、メルキオールが一線を越えたためメルキオールを止めるべく動いた → 「世界の破滅を止めたい」と望む生徒たちに最後の戦いを託した。

 

 結局全部「人間はどうしても人間」「自分で行く末を決めなさい」に集約されるんですよね。
 未来を決める力を人間が真に獲得する、という意味ではキリのいい物語ですが、そして人間がどうなったか、という視点では投げっぱなしとも受け取れます。

 あの世界が今後どうなってゆくかをプレイヤーが知ることはできませんが、少なくともあの「モーティフのテラリウム」を通じて三賢者の意志を受け取った生徒たちが微力を持ち寄って世界を少しずつでも変えてゆこうとしてくれるんだろう……そういう信頼は確実にあります。なんせ自分の手で送り出してきた生徒たちですから。

 

 パイク先生とかイーラ君とかは大課題が進むにつれ関わりが薄くなっていくように見えましたが、結末まで物語を見てから俯瞰すると、生徒たちとほとんど同じ「三賢者にジャッジされ、託される人間たち」という大きな括りで同等の立場だったのかなと思います。
 そういう意味では人間全体が主人公の物語、つまり生徒たちが代替わりしても成立する普遍的なストーリーだったんじゃないかなと。
 書いているうちにどんどん分からなくなってきてますが大丈夫ですか? 私は大丈夫じゃないです。

 

 人間を愛し、人間になりたいとすら思うこともあったカスパールが、転生体であるルトラに受容され眠りに就く。
 人間に失望し、実力行使で主権を奪おうとしたメルキオールが、人間としての己であるレンシに阻止される。
 結末を見届け、人間に全ての決断を委ねたバルタザールは、上層から切り離された下層に留まりモーティフたちの新しい人生を導いてゆく。

 すごく綺麗な結末ですよね。彼らの性質や本当の願いと照らし合わせると、こうなる他ないよな、という形に収まった。

 

 三賢者については、考えれば考えるほど、過去に見つけた断片的な石板の情報が線で繋がっていって、いくらでも掘り下げられますね。楽しい。
 尺の都合で切り詰めた部分も相当あると思われるので(そんなお話をツイッターでお見かけした)、膨大な世界設定と歴史背景からシナリオに必要な部分だけ切り出した作品と考えると、実に贅沢な物語だなァとしみじみ思わずにはいられません。

 

 

【システム】

 レスポンスがメチャクチャいいのが最高でした。快適!
 こういうサクッと初めてサクッと切り上げたい作品は携帯モードと大変相性が良いですね。
 (長引く大課題からは目を逸らしつつ)
 (そんな時のためのスリープ機能だろがい)

 ロードもほとんどなく、処理落ちも一切生じませんでした。不具合も特に生じてません。

 

 UIについては、最初は何が何だか状態で面食らいましたが、小課題初級でひとつひとつ解説してもらえるので、順を追って理解できました。親切設計。
 ちょっと気になるのは文字偏重気味なところでしょうか。
 スキル説明やステータス画面など、もう少し記号やアイコンで表現してくれるとより頭に入りやすそう。

 あと、前述の通りしょっちゅうメンバーを入れ替えてイチから戦略を組み直すようなプレイスタイルだったため、「全員のEXスキルを外す」「全員の装備を外す」などのコマンドがあると重宝したかもしれません。いやスキルコピー使えやって話ですが。

 

 あと、これは演出の話ですが(じゃあ演出の項で書こうぜ)とにかく「画が止まって見えないようにする工夫」がすごく好きでした。
 攻撃を受けたキャラクターがジリジリと下がっていって慌てて戻ってくるとか、普通にフィールドを歩き回るだけでも生徒たちがキョロキョロピョンピョンしているとか、町や部室のメニューを移動するとワキャワキャ動いて回るとか、止まっていてもクシャミしたり転がったり、とにかく画面が忙しい。
 コマンド画面の立ち絵すら動く。もう何でも動く。そのおかげで画面が常に賑やか。

 ここまで来ると執念を感じます。
 その執念のおかげで賑やかな学園生活を送れました。どこを切り取っても可愛かった。

 

 

【さいごに】

 まさかここまで濃密なゲーム体験が待ち構えているとは思いませんでした。
 スイッチゲーの中でもトップ3くらいに入る最高の作品でした。
 まだ遊べる要素が残っているので、もう少しだけアタックしてみようと思います。
 とりあえず卒業ソングは聴けたので、感想はここまでということで。

 

 オースティン、シャルロッテ

 プルランタ、アルフレッド。

 ヒルデガルト、トキリバ。

 ヘンリエッタ、フランジ。

 ヒューミント、ヘリオドール。

 エンケパロス、バンド。

 チコラータ、ラファエラ、マリカ。

 リエゾン、ヴィクトル、エンドミル。

 アルミナ、ウパーラ、モニタン。

 ハンス、クリスチーナ、パンプキン。

 デモリ、フレデリック、ブルズアイ。

 サファイラ、レプサ、イモジ。

 イワン、クッキー、ゲンジロー。

 サイファー、ナーリング、ラミア。

 オースティン、エスメラルダ、ウィルマ。

 コロネア、ユタコ、ニカロック。

 カマリ、ズイドウ、コンロッド。

 

 以上総勢45名!

 王立穴ポコ学園のメインストーリーを修めたことをここに証する!
 卒業おめでとう!

 




 といったところで今回はここまで。
 また次の日曜に。