#101 積み本をスマホでチネる
いいよね、電子書籍。
本は紙で読むもの、電子書籍なら最低限タブレットの大画面で……という妙な固定概念に囚われていたのですが、これを取り払ってスマホで書籍を読んでみたら思いのほか捗った。というのが今週の話題です。
この勢いで今年中に積み本の半分はブッ倒してやりたいですね。
まず、『読書』という行為に対して私は妙な気後れを感じてきました。
元々はエンタメ寄りながらもそこそこの冊数を読みこなしていたのですが、いつしか読書量は年々目減りしてゆき、「読みたいから買っておこう」の一存で本棚やアプリに放り込まれた本が気付けば溜まりに溜まったり33冊(2022年開始時点:#070参照)。
世間一般に「読書が習慣である」とは良いことであり、その良いことを趣味だと言い張りつつも殆ど読まない私は「すべき読書をサボっている」という妙な罪悪感を抱えてきました。
このご時世、私と似た境遇の方って結構いるんじゃないでしょうかね。某ーグル検索のサジェストでも“🔍読書 してない”とかありますし。
こう、本に対する負い目のようなものを心の中に育ててしまったが最後、最初の1ページをめくるのがひどく億劫になるんですよ。
あるいは本に対する思い入れが強すぎるからかもしれません。「最後まで読み切る覚悟で開かなきゃ」などという要らん気概まで自分に要求し始める始末。
これじゃあ気軽な趣味もおちおち楽しめたもんじゃない。
で、本に対する強すぎる思い入れを崩すところから始めた訳です。
具体的に言うと、スマホの画面でチャチャッと読めるようにした。
今までも出来たのですが、大昔に流行ったケータイ小説を当時毛嫌いしていた思い出が蘇り、携帯デバイスで書籍を読む行為に対する抵抗感が拭えなかったんですよね(今思えばとんでもない風評被害である)。
そういう余計な思い込みもまとめて破壊しようじゃないか。折角PC-タブレット-スマホ間で本棚情報もページ進捗も同期できるんだから。
テックを活用せにゃあ。ワシは令和を生きる人間ぞ。
で、スマホ読書いいです。すごくいい。
現在私が使っているのは某マゾンの某ndleではなく、紀伊国屋からリリースされているKinoppyです。
まあこの辺はどの電子書籍アプリでも大して変わらないでしょうからあんまり深くは突っ込みません。
(ただKinoppy、使い勝手がめちゃくちゃいい割にシェアがイマイチなのか、最近とみにポイントセールを打ってるんですよね。月2くらいの頻度で。閉店しかけのショッピングモールが如く。愛用者の私としてはできる限り長く存続してほしいので皆さん奮ってご利用ください。頼みます)
サービス加入時に無料配布された『scripta 18号 (winter 2011)』の冒頭をスクショしてきたので、iPadとiPhoneで比較してみましょう。
(このスクショがまずいようであればご連絡ください。迅速に画像を削除します)
まずiPad版がこちら。
あ、黒背景白文字にしてあるのは私の好みです。画面は暗い方が目が疲れなくて好き。ダークテーマ愛用。
これでも十分読みやすいですね。一般的な紙の書籍に近いレイアウトになるよう配慮されているのが感じられます。画面を横転させれば文庫本サイズでも楽しめます。
ちなみにフォントを弄ることも可能。電子版ならではの強み。
一方、iPhone版はこんな感じ。
情報量が少ない!
画面に入る文字数が圧倒的に少ないのがお分かりいただけますでしょうか(一目瞭然)。
この情報量の少なさがスマホ版の魅力。何といっても読みやすい。
より細かく言うと、一度に視界に入ってくる情報が多すぎると「ワッッ」となってしまいがちな読書無精にやさしい。
読書筋が衰えていると(そんなものはない)、多すぎる活字に対して脳が停止しがちです。
処理能力が衰えたことを素直に認め、消化しやすい大きさになるまで情報を細かく千切りましょう。
これ即ち、スマホで本をチネるということです。
※チネる:かつての大人気番組『いきなり!黄金伝説』の無人島0円生活コーナーにおいて、よゐこのお二人がお米の代替品とすべく小麦粉を捏ねた何かをチネチネチネチネと細かくつまんで粒を生産したことから生まれた言葉。大きいものを細かく千切るの意。一般にこの動詞が通用するかは定かではないが、同年代なら通用するのではないかと私は無根拠に確信している。
(それにしてもよゐこのお二人、最近はすっかり少年少女向けのゲーマーおじさんとして定着しましたね……)
(媒体は変われども生き生きと活躍してくださるのは嬉しいことです)
チネりによるリハビリは功を奏し、今年に入ってかなり積み本崩しのペースが上がった(当社比)他、集中力も回復してきたのかiPadサイズの読書も苦にならなくなってきました。
とはいえ出先でのiPhone読書の利便性は言うまでもないので、進捗を端末間で同期しつつ併用中です。おお便利。
いわば「読書したくてもできない病」に陥っていた私ですが、ちょっとした気分転換だけで再出発を切れましたよ、という話でした。
短いですが今日はここまで。というか先週は割と多めの字数で頑張っていたので、久々に省エネでいいかなって……。
それでは、また次の日曜に。