#104 グリムグリモア、初めてのRTSあじ
一通りプレイしてきました、『グリムグリモア OnceMore』。PS4版。
面白かった!
『ドラゴンズクラウン』や『十三騎兵防衛圏』を世に送り出したヴァニラウェアさんのPS2時代の名作です。
初ヴァニラがドラクラだったニワカの私からすると、この時代に過去作品を遊べる(しかも最新ハードで!)のは僥倖。
さっそく発売日に購入し、毎日コツコツと遊び、ついにノーマルでシナリオクリア&全トライアルステージクリアを達成してまいりました。ここまで27時間。頑張った。
喜びのあまり珍しく証拠動画を投稿したりしました。
ノーマルでストーリークリア&トライアル制覇。やったぜ。 #グリムグリモア #PS5 pic.twitter.com/X7Hjj53udV
— 佐々川トタン (@tarte_tutan) 2022年8月24日
そんな訳で本日はグリムグリモア OnceMoreの感想です。
歯ごたえはしっかりとありながら、重すぎないシナリオとボリュームで気軽に遊べる魔法ファンタジーRTS。
万人にオススメしたい……。
あ、この記事はネタバレ少なめにしますので、未購入の方であれば購入の参考材料にどうぞ。
【はじめてのRTS】
RTSに触れるのは多分初めてですが、丁寧に操作方法やユニット相性を教えてくれるように出来ているので、初心者でもなんとかついていけました。
魔法学校よろしく「先生から新たな魔法を教わる」といった形で諸要素を解禁していってくれるのは親切ですね。
いきなりやれることが増えるとルーキーは混乱してしまうので。
雛鳥に給餌するようにチマチマとやさしく与えてくだされ。
チュートリアルもそうですが、初級者脱出教材としてのトライアル序盤が優秀すぎる。
特にトライアル2番「蹄の音、力強く」と3番「サイキッカー」さえクリアできるようになれば、一番大事なユニット相性と細かい操作方法を身に着けたも同然。
ストーリー序盤はやることが多すぎて「RTS苦手かもな~、イージーで妥協するかな~」と心が折れかけていたのですが、気分転換にこの2つをやってみたところ、プレイヤーに求められているものがなんとなく理解でき、その後のストーリーも比較的スムーズに進められたように思います。
スムーズといっても一発クリアできることは稀でしたけども!
一発クリアはかなり難しく、むしろ一度玉砕覚悟でユニットを突っ込ませて、敵陣の配置を把握してからの2回目以降が本番といった感じでしたね。
また、救済措置として用意された大魔法(リメイク版の追加要素らしい)は初手マナ500増加がド安定でしたね。こちらの陣容を整えてから進軍/防衛するのが最適解なので。
とはいえマナ増加を使い忘れることも多く(そもそも大魔法自体常には使わなかった)、窮地に陥ったときにマナバーンに泣きつくシーンもありました。あれは助かったな。
そうそう、このゲームは間違いなく時間泥棒です。
じっくり考えて当たるとワンゲームに30分かかることもありますし、順調に進んだら進んだで先が気になって止め時が分からなくなります。
リメイク前にはなかったらしい倍速機能が搭載されたことで、眺めるだけの時間が最小限になり、プレイ時間に対する“楽しさ濃度”のようなものが高まっているように感じます(?)。要は虚無の時間がないといったところ。
夢中になって遊んでいたらウッカリ夜更かししていた……なんてこともザラ。この感覚久しぶり。
と、こんな感じで、現代のゲームと比べても見劣りしない、快適かつ中毒性の高い一本に仕上がっていました。
元はPS2時代の作品なのに凄いな。どれだけ調整したんだろう。あるいはPS2の時点で既に完成されていたのか……。
【魅力的な人物と物語】
最終的に「登場人物全員好き!」となるのは名作の証。
個人的にはアマレット推し。
異なる場面設定によって人物を多面的に描けるのがループモノの強みですね。
初日のリレちゃん視点で見ると、マルガリタは普通のお友達ですし、オパールネラ先生はちょっと取っつき辛い先生で、アドヴォカート先生はいけ好かない悪魔です。
が、巻き戻る時間の中でシチュエーションを変えてゆくと、マルガリタの腹黒さが見え(ついでにちょっと抜けてるところも)、オパールネラ先生の「操られる側」としての脆さが見え、アドヴォカート先生はある意味公平な審判者に見えてくる。
魅力的なテキストと共にキャラクター達の様々な背景が語られるシナリオは見事の一言。
更に言うと、魔法のある世界ということで、ループが結構トントン拍子で進んでゆくのも良かったですね。
言い換えると「死にループ」がない。どのループにも意義がある。
そのシナリオの煮詰まり具合も好みでした。
(何故トントン拍子で進むのか、というところは深堀りするとアレなのでこの記事では触れないでおこう……)
【安心と信頼のビジュアル/音楽】
ここはもうヴァニラウェアさんだからね。あとベイシスケイプさんだからね。間違いないです。
全てのユニットが生き生きと動いて見える、この凄さ。
一体一体にやられモーションがあります。作り込みがすごい。
キャラクターの立ち絵も美麗美麗。ドラマパートの表情・視線差分はどれだけの数が用意されているのだろう。
一枚絵にあれだけの立体感を持たせる技術、とんでもない。
UIまで世界観に合わせて作り込んであり、没入感が更に高まります。実に悪魔チックな黒魔術魔法陣のアイコンすき。
BGMは本棚画面の魔法学校感が素晴らしかったですね。なんだかんだ一番長く聞くことになる曲ですが、最後まで飽きませんでした。
また最終戦のアレンジもアツかったです。長丁場を中弛みさせぬよう盛り上げてくれました。
(最終面、やけに時間をかけてしまったもので……)
また、ステージクリアごとに一枚絵や設定画が解禁されてゆき、最終的にギャラリーが設定資料集並みに充実します。エッこれ書籍としてお金取らなくていいんですか?(ドン引き)
PS5の4K画質でプレイしたので(自慢)一枚絵は4K画質の壁紙として個人利用させていただいております。
ありがてえだ……南無南無……。
【各魔法雑感】
どの魔法陣もそれぞれ独自の強みを持っており、コレ一強! とならない絶妙な調整でした。
以下は個人的な各魔法に対する雑感です。
もしかしたら攻略のヒントになったりならなかったりするかもしれない。多分ならない。
余談ですが、魔法陣を完成させるときの掛け声とSEとエフェクトが地味に好きでした。こう……懐かしい感性をくすぐられる……。
世界の法則を編成せよ! エングレイブ! ッカーン!
○ 精霊魔法
強いとか弱いとかではなく、かわいい。
と言いつつ、個人的には一番バランスが良くて使いやすい気がしています。コストも低めですし。
全体的に耐久の低さが玉に瑕ですが、タリスマンの視界の広さに助けられる場面もしばしば。
エルフはボイスがかわいい。「お呼びですかぁ~?」や「はぁ~い」などの気の抜けたお返事で、緊迫した場面に一服の清涼剤をもたらしてくれました。
あとフェアリーは移動速度がすぐ上がるので、単独で斥候をさせるには最適でしたね。ドラゴンスレイヤー集団にするのも楽しい。
ユニコーンはなかなかコストも高く使いどころが難しいように感じました。ホーリーバリアを張っても倒れるときは倒れるし、アストラルホールド要員……?
モーニングスター。トライアルの後半はかなり頼りになりました。やはりアストラル体は強い……。4体くらい束にすれば向かうところ敵なし。
○ 交霊術
ファントム一強。
精霊魔法におけるフェアリーと同位のファントムですが、コストが低いくせにバーサーカーをかければ全てを破壊する最終兵器集団と化します。とはいえちゃんと弱点(ホムンクルス)も用意されていて良バランス。
ゴーストは地形を無視してマナ集めできるのがおいしい。コストもかなり低いのでカロンの弾やキメラのおやつにもできてさらにおいしい。
スカルメイジは足が速くなってからが本番。強化完了までは鈍足おじいちゃんなので、お目当てのアストラル敵に辿り着けないこともしばしば。
オベリスクは……一度も使わなかったな。回復が必要になる場面はそんなになかった気がします。困ったら強化エルフに頼めるし。
カロンはその性質からかストーリーよりもトライアルで生き生きしてましたね。本編で全然使わなかったのに妙に思い出深いです。
○ 黒魔法
攻撃力特化。あと尻。
マナ集めユニットのインプも攻撃できるようになるのが黒魔法の特徴ですよね。クリスタル周辺を留守している間に襲撃があってもある程度対応できる。
デーモンはコストが重いぶん雑に強くてかなり好みでした。欠点があるとすれば防衛命令をかけないと何処までも敵陣深く潜っていってしまうところくらいか。
グリマルキンは大物を無力化できるほか、マナバーンでゴーレムも瞬殺できるのが気持ちいいですね。いかにも“対抗ユニット”って感じがします。ネコチャンカワイイ。
ドラゴンはコストが重すぎてそんなに使いませんでした。出せた時の制圧力は実に魅力的でしたが。むしろ毎回毎回出てくるので敵としての対処の方が上達してしまったような……。
そしてグリムグリモアのお色気要素を一身に担うガーディアン。敵にいると妙に強く感じるのですが、自分で使うとタリスマンでいいや……となる不思議なユニットでした。
○ 錬金術
今までのユニットは「異界から召喚してきたものたち」でしたが、錬金術のユニットは全て「その場で生み出され、倒されれば死ぬものたち」。業が深い。故に好き。
ブロブの荒巻顔(いま荒巻スカルチノフって通じるんだろうか)に心をわしづかみされました。かわいいよブロブ。ガムアップが便利だよブロブ。
ホムンクルスは敵として出てきた時に一番面倒といった印象。自陣ユニットとしても、2~3体は用意しておくと戦略の幅が広がっていい感じでした。特にフェアリー落としとしては最強に頼もしい。
ゴーレムはシンボル対処ユニットとして重宝しました。動くユニットに対しては滅法弱いのが逆に愛おしい。懐に入られると何もできなくなるゴーレムいいよね……よくない……。
キメラは大技ユニットとしてモーニングスターに次いで使いやすかった印象です。ドラゴンより小回りが利くしコストが多少軽い。多少。ビジュアルのインパクトは一番ですよね。
ザッとこんな感じです。攻略のヒントになるはずもない内容になってしまった。(元から自明)
どの魔法、どのユニットも独自の強みがあり、それを理解してゆくにつれてプレイヤーの選択肢も増えてゆく感覚が気持ちよかったです。
ゲームを攻略してる実感があった……。
そんな感じで、グリムグリモアの感想でした。
本編だけならじっくりやっても15時間程度でクリアできるボリュームですので、サクッとやれるのも魅力ですね。
ほら最近のゲーム、クリアまで最低50時間なんてザラだから……。
未プレイの人間にも門戸を開いてくれた良リメイクでした。
是非他の作品も蘇らせていただきたい気持ちもあり、新規タイトルを拝みたい気持ちもあり。ファンとしてはどちらも大歓迎です。
そういえばオーディンスフィアはPS4で出てたし、手を付けてみようかな……。
ゲームリリース強化期間を抜けたらね……。
といったところで本日はここまで。
また次の日曜に。