週報タルトトタン

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#134 ポケモンSV、クリア後感想

 

 パルデア留学だ! ポケットモンスター バイオレット!

 先週はドジョッチの話しかしませんでしたが、ようやく本筋の方もきちんと終わらせてきましたので、今週は『ポケモンSV』全般に関する感想を書いてゆきたいと思います。
 要はいつもの感想記事です。益体のない私見の羅列ですので、クリア後の方は「こんな奴もいるんだ~」くらいにナナメ読みしてお楽しみください。
 ネタバレは後半にゆくにつれ増えてゆくので、御三家最終進化を見たくない方、クリア後に何があるかまだ知りたくない方などはご注意くださいね。

 

 まず結論から述べると、本当に、本当に面白かったです。今作。
 早くも2023年の個人的殿堂入りソフトにノミネートされました。

 現時点での総プレイ時間は50時間。最初から最後までたっぷりと楽しませていただきました。楽しかった。
 できることならもう一度、記憶を消してサブロムでプレイしたい。
 メインロムのデータは大切な旅の記憶なので、絶対に消せない。一生大事にしたい。

 

 喜ばしいことに今回はべた褒めの方向性の記事になりそうです。
 素晴らしい作品に出会えるのはいつだって喜ばしい。

 

 それでは、以下本文。

 

 

【あたらしいポケットモンスター

 当方、前回のドジョッチ狂いの記事(#133)でお伝えした通り『金』『ハートゴールド』『シールド』しかプレイしていないポケモンニワカであります。
 そのためポケモンシリーズの歴史を踏まえたレビューはできませんので、その点は予めご了承ください。

 その上で、直近のタイトル『シールド』から大きく刷新された要素が多数見受けられ、これはシリーズにとっての転換点となるぞ……と確信しております。
 過去のポケモンらしさはそのままに、遊びやすさを阻害する要素は大胆に撤廃。
 剣盾をベースに大きく“アタリマエ”を見直した今作の発展の仕方は、BotWでシリーズとして飛躍を遂げたゼルダの伝説を思わせるものがあります。

 何かよく分からん議論をコネてますが、さっさと結論を言うとポケモンらしいところもポケモンらしからぬところも全部面白かった」ということです。
 ざっくり。

 

 新しい要素として真っ先に挙がるのが、フィールドのオープンワールド化。

 テーブルシティだけは分割されていましたが(多分)ほぼ全ての草原、山岳、海、洞窟、街がシームレスにつながっている感動ときたら。
 崖の上からジャンプしてカラフシティにそのままインできたときの「あぁ、いま自由に世界を駈けているな」感。落ちながらエントリーすな。
 でもそれこそがオープンワールドの醍醐味の一つじゃないですか。要らんことできる自由って、豊か。

 

 そしてフィールドにポケモンたちが生き生きと暮らしているのを垣間見れる興味深さときたら。

 大抵の洞窟に湧くヤトウモリたちとか。パモットを中心に群れを形成しているパモさんたちとか。花畑に寄り集まる色とりどりのフラエッテたちとか。
 川を悠々と泳いでいたかと思えば岸に乗り上げて見慣れたビチビチを披露してくれるコイキングとか。

 これこれ、こういうのが見たかったんですよ。いちプレイヤーとして、同じ世界に生きるものとして、対等な視線で観察したかった。
 素晴らしい。

 そしてそのフィールドを気ままに歩き回って、見たことのないポケモンがいれば手あたり次第に捕まえて回る。
 金銀の時代から頭の中で描いていた「ポケモンの旅」そのものがここにありました。

 

 もちろんオープンワールド化に伴って生じた弊害などもありますが(これは後述)、個人的にはそれを補って余りある恩恵があったと受け止めています。

 

 

【レベル上げ不要なやさしいバランス】

 オープンワールドだウッヒョー! とはしゃぎ回って目につくポケモンたちを捕獲して回っていたため、基本的には全ての戦いにおいて+Lv5くらいの余裕をもって挑めました。
 いやあ、剣盾のときも驚きましたが、ポケモンを捕獲するだけでも経験値が入る」「控えの手持ちにも経験値が分配される」って革命的ですよね。
 金銀・HGSSのころはチャンピオンロードで泣きながらレベル上げしたなぁ……。
 大人になった今はそういう地道なレベリング作業に割ける時間がないので、これは本当に有難い。

 思えば野生のポケモンは殆ど倒さなかったかもしれない。
 持っていなければ捕まえる、持っていれば見逃す。

 あとは目についた道端のトレーナーたちを片っ端から倒したくらいで、レベリングらしいレベリングはしなかったように思います。
 それでもチャンピオンリーグに挑む時点で手持ちは全てLv70台前半に到達していたので、本作は旅を楽しんでいれば自然と強くなれるバランスだと言えますね。
 けいけんアメちゃんも新しい手持ちメンバーのレベルを底上げするのに少し使ったくらいで、かなりの量を死蔵しています。

 

 この辺の設定の甘さは、なんとなくジム・ヌシ・アジトに自由に挑めるようにしたことに対するケアなのかなと思ってます。
 手持ちの成長具合やバッジ数に応じたレベル調整が行われるつくりではないので、強いアジトボスは強いままだし、易しめのジムリーダーは易しいまま。
 そういう視点では、今作はオープンワールドではあれ、攻略順が予め定められていると言えます。

 よって、「ヌシは倒してないけれどこのアジトを突破したい」などの自由な選択を取るには、攻略順をすっとばすだけの強さが必要。
 個々人の柔軟な選択を実現するのに、育成のしやすさは大きく寄与していると感じました。

 まあ、順序をすっ飛ばすということは、後から簡単なジムに挑んだりしたときに「手応えがねぇ……」となるオチもセットでついてくる訳ですけども。
 それもまたアジ、旅の思い出の一部よ。

 

 

【シナリオとテキストの素晴らしさ】

 あの、ここまでストーリーが良いと思ってなくてですね。
 特にスターダスト★ストリートとシナリオ最終局面。もう年甲斐もなくおいおいと泣いてしまいましたですよ(ハッサク節)。

 シナリオの詳細については、次の記事で個別に感想を述べたいですね。それくらいどのルートも素晴らしく、心に残りました。
 なので今回は内容に関して多くは語りませんが、とりあえずここで強く申し上げておきたいのは「今作、テキストの質がめちゃくちゃいいな」ということ。

 率直に言うとポケモンにしては子供向けじゃないな(失礼な言い草)と感じる台詞が多かった。
 それは決して悪いことではなく、寧ろ歓迎されるべき傾向だと思います。
 子供向けって、子供騙しではない。大人が真剣に向き合うからこそ子供にも響く作品ができると私は信じています。

 

 学校の授業なんかがいい例。
 特に美術のハッサク先生・初回なんて、人生論に片足突っ込んだ美術のお話をしてくれるんですよね。
 低年齢層にも伝わる平易な言葉遣いではありますが、中身は大人になった我々にも刺さる話です。
 まさかポケモンの中の授業で本当に学びを得ることになるとは思いもしませんでした。
 全ての授業を学生気分で楽しく受けられたのも、偏にテキストとテーマが秀でていたからでしょう。

 

 また、あくまで推測でしかありませんが、テキストの変化は今作から日本語テキスト表示が「漢字+ふりがな」で統一された影響も大きいように思います。
 オールひらがなで表記することを想定せずにテキストを作れるので、より大人向けの表現、あるいは文章として自然な言葉選びができるようになったのかなと。

 もちろん、制限のかかった中で作られるテキストにも味がありますけどね!
 コガネシティのアカネちゃんの「ぐっすん ひっぐ…… ひどいよお!」なんかは未だに覚えてますし。(そこ?)

 

 

ポケモンみんなかわいいね】

 野に生きるポケモンもかわいい、手持ちに入れて共に旅するポケモンもかわいい。
 これに関しては多くを語る必要もないかな。

 ポケモンウォッシュ、サンドイッチ作り、連れ歩きと親交を深めるイベントが多く設けられていて、手持ちへの思い入れが滅茶苦茶深まりました。
 うちの旅パは多分世界で一番かわいいと思う。
 (各所から投げられる石)
 (前が見えねぇ)

 

 

 ちなみにうちの最終メンバーはこんな感じ。
 これはストーリークリア直後で、現在のレベルはそれぞれ+Lv2~3くらいです。
 何をするにも十分すぎる強さ。

 物理寄りで防御が高めな相手には苦労しますが、基本的にはレベル差で殴って解決できました。
 頼れる仲間たちです。

 

 常に期待以上の戦果をあげてくれるヨモギちゃん/マスカーニャ
 紙装甲だけどアクロバットが強すぎるヤッコちゃん/ファイアロー
 物理も特殊も使えてタイプが優秀なドゼウちゃん/ナマズン
 全てを無に帰すデカハンマーのクルミちゃん/デカヌチャン、
 唯一の特殊使いで搦手も得意なツンちゃん/キラフロル、
 大抵の相手を殴り飛ばせる脳筋のテテちゃん/パーモット、
 そしてパルデアのどこに行くにも常に一緒だったミライドン。

 

 やっぱうちの旅パが一番かわいいと思います。
 (再び飛ぶ石)
 (やめとけ)

 

 

【ハードの限界はプレイ体験を損なったか?】

 この話題についてはきちんと触れておかなきゃならない。

 今作は広大なフィールドや連れ歩きなど、現行ハードであるスイッチには荷が重そうな要素が多く盛り込まれています。
 そしてそれが十分に機能するように実装されているかというと、うん……各所で指摘されているとおりです。
 2022年のゲームとしてはグラフィックに難がある、と言わざるを得ない。こればっかりは正直どうにも。

 

 ただしそれが“ゲーム体験そのもの”を損なったかというとそうでもない。
 これは今作のグラフィックや演出において(非常に限られたリソースの中で)必要な部分をきちんと取捨選択した上で表現しきっているからだと考えます。

 

 たとえば、フィールド上で野生のポケモンと出会った時の処理。
 接触した直後の引きのカメラではガッビガビのポリゴンで表現されるポケモンが、戦闘に入った瞬間にスッと綺麗な3Dモデルに切り替わるのが分かります。

 あるいは、フィールドそのもの。
 遠景がボケていたり、FPSが低下したりはする。地面などのテクスチャも懐かしさを感じるテイスト。
 しかし、駆け回っている時は近くに出現するポケモンと地形の起伏くらいしか頭にないので、そこまで目くじらを立てるほどでもない。

 

 付け加えるなら、50時間のゲームプレイを通して致命的なバグには出会いませんでした。

 

 なんかこう凄いことにことになったことはチラホラあったけど(上図参照)。
 でも進行には影響出なかったし。エラー落ちなんか一度もなかったし。

 

 という訳で、

 思い入れさえ形成できれば全く問題ないレベルですよ!
 ありがとうキハダ先生。好き。

 

 なお私は通信対戦やレイドはほぼやらないライト勢なので、コアユーザー層から見ると違った感想になるかもしれません。
 その辺はプロの方に訊けばよろしい。アマには必要十分です。

 

 とはいえ、パフォーマンスが良いに越したことはないとは思います。
 グラフィックが綺麗だと嬉しいし、UIが使いやすいと快適だし、読み込みが早いとより世界に没入できるし。

 今作はパフォーマンス問題を補って余りある長所が沢山あったので個人的には名作判定を出していますが、もし他の部分が凡作以下だったならば暴れていたかもしれません。
 当方、UI・UXが宜しくないと憤死してしまう性質のゲーマーなので……。

 

 

【クリア後の今、思うこと】

 さて、各ルートをクリアし、エリアゼロの探索も終え、学校最強の座をもぎ取り、親友たちの後日譚を見届けた今、することがほとんどなくなってしまいました。
 あとは学校最強大会を周回するくらいしかやることがないな……。

 

 図鑑完成はちょっとハードルが高い。
 レイドもよく分からんし★5以上は無理かなって。
 対戦? 今から素人が入れるんですかね……?

 

 といったところで、なんだか軽いロスに陥ってます。
 「思い出を振り返る」とかで各所の再戦機能が追加されたりしませんかね?
 本編がとても楽しかっただけに、突然目標が無くなってしまってちょっと切ない。
 せめて四天王は再戦させてほしいところです。


 追加コンテンツは第一弾が配信されたら購入を検討する予定。予約買いはどんなタイトルでも二度としないと誓ってますので(色々あった顔)。

 

 

 といったところで、ゲームソフトとしての感想は以上となります。
 書きたいことが頭の中でまとまったら、各ルートのシナリオに関する感想を個別記事として書きたいと思っていますが、果たして完遂できるか……。

 

 いやあ、本当に良かった。ポケモンSV。正直ポケモンをナメてました。参りました。
 思い出に浸りながら今回はこれで締めます。

 

 それでは、次の日曜に。