週報タルトトタン

よく寝て、よく食べ、日曜ものかき。

一周年だ! 愛してるぜLittle Goody Two Shoes

 

 


 『Little Goody Two Shoes』リリースから一周年! おめでとうございます!
 いちファンとして、このゲームが世に出てきてくれたことに心からの感謝を!

 現在、デベロッパーのAstral Shiftさんの公式Discordで1st Aniversary Contestが開催中のようです。奮ってご参加あれ。
 当方はエントリーできるもの(イラスト、英文の小説、手芸などなど)を作れそうにないので、せめてもの賑やかしに、こないだX・旧Twitterに載せた紹介画像よりはマトモな紹介記事でも書こうと思います。
 という訳でしばらく寝かせていたブログの埃をはたいて頑張ります。エイオー。

 

 ※参考:こないだの紹介画像↓

 可読性を気にしながら4枚の画像に情報を詰め込んだので、泣く泣く切り落としたイチオシポイントがかなりあります。
 あと説明を圧縮したことで誤解を生みかねない部分もあったり……そういう意味でも補足説明は書いておきたかったのです。

 

 尚、この記事はネタバレを極力排除した内容にします(目安としては公式トレイラーで分かる以上の情報は書かない・載せない)ので、未プレイの方も安心してお読みいただけます。多分。

 ちょっとでも気になったら是非、ストアページを覗いてみてください。
 もっと気になったら是非、カートに入れてください。
 どんどん語ろうぜLGTS! ファンアートやファンフィクション(日本語)が増えてくれよLGTS!

 

 といった感じで前置きもそこそこに、以下本文。

 

 

 

 

 

【基本情報だ! LGTS!】

 

 まずはこのおゲームの基本情報を掲載しておきましょう。

 本作は、

  • メルヘンなおとぎ話
  • 悪魔との取引
  • フリーホラゲの血脈を色濃く受け継いだアドベンチャー
  • ノスタルジックなミニゲーム
  • 90年代少女漫画
  • 00年代深夜アニメ
  • 真正面から描き切った百合
  • ドット絵アニメーションへのフェティシズム

 

 この辺の要素を好き放題にぶちこんで闇鍋にした魔のゲームです。
 どういうことかは次の項から細かく説明してゆきます。まずは伝われニュアンス。

 

 日本から正規ルートで購入する場合はSteam一択。現在40%オフ。バイナウ。

 

 なお、海外ではSwitch/Xbox/PS5向けにも発売されています。羨ましいね。

 要注意なのは『英語以外の言語はサポートしていない』点。
 厳密に言うと会話シーンのパートボイスは英語/日本語を選べるのですが、テキストは完全に英語オンリーです。
 ある程度読める方ならそのまま特攻してもらって大丈夫ですし、厳しそうならUnity製ゲームのテキストを自動翻訳してくれるツール『XUnity.AutoTranslator』を使ってもよし。対策はいくらでも打てるぞ! こわくないぞ!

 

 (日本ユーザーがたくさんウィッスリストに入れたり購入したりしてくれればローカライズ需要が伝わるのではないかと密かに期待しております)
 (公式翻訳については各所で情報を探したり動向を見守ったりしているのですが、来るのか来ないのかまだハッキリしないんですよね……来そうなんだけど……)

 

 また、体験版も用意されているのでまずは無料で触ってみるのもいいですね。
 OPからタイトル画面、メニュー画面に至るまで、隅々まで込められた執念を肌で感じてみてください。
 何かがあなたの心に留まったのなら、きっと購入しても後悔しません。

 

 

【世界観紹介だ! LGTS!】

 物語は19世紀のドイツ語圏、片田舎の敬虔かつ閉鎖的な町『Kieferberg』が舞台です。
 (年代は海外兄貴姉貴たちの考察を拾い読みしたものだから違うかもしれません)

 

 メルヘンなおとぎ話や宗教的なモチーフを下敷きに、主人公Eliseを巡る摩訶不思議で危険な7日間を冒険を描きます。

 魔法なんて存在しないよ~という前提に立ちつつ、しかし理解の及ばないものに対する迷信は色濃く残る社会。
 某一神教をあまり良く知らない私のような典型的ちゃんぽん信心ニッポンジンはちょっと面食らうかも(面食らった)。

 

 ここはおとぎ話の世界ではないので、Eliseは日々雑用でこき使われて日銭を稼いで、なんとか糊口を凌がねばなりません。世知辛い。
 町の人々も暮らしの維持や相互監視に余念がなく、ちょっとの異変にもピリピリする息の詰まるような生活を続けています。世知辛い。

 

 ここはおとぎ話の世界ではないので、突然現れてかぼちゃの馬車でお城へ連れて行ってくれる親切な魔女は出てきません。
 代わりに、危険な試練を切り抜け"決心"を示せば、何でも望みを叶えてくれる不思議な存在が出てきます。

 ……イヤな予感しかしないな!

 

 

【美麗アートだ! LGTS!】

 

 まず目を引くのが、「アレッ? 90年代少女漫画・アニメのどこかで会いました?」とすれ違いざまに尋ねたくなる(?)ようなノスタルジックなキャラデザイン
 なんでもかんでもフリル! リボン! 装飾! なガーリーさが、そこはかとなく"あの頃、ビデオの録画で観た"ような、"あの頃、おまけがいっぱいついている月刊誌のどこかで読んだ"ような錯覚を誘います。

 その上に、どことなくローゼンメイデン東方Projectにインスピレーションを受けていそうな服飾が00年代感を加えていてアラ新感覚。
 懐かしいのに思い出す年代が一致しない感じがむず痒くも愛おしい。これが新しいレトロ回帰の形……!

 

 イベントスチルもキャラデザの方が描いてらっしゃいます。
 逆三角形の口だの、ツンツンヘアーだの、頬の謎斜線だの、時代を感じるギャグ調ポージングだの、例外なくノスタルジーをくすぐってくるよ。

 はちゃめちゃに好きなスチルがあるので是非語りたいのですが、こればっかりはネタバレになるので載せません語りません。
 ただ恐らく初めて「イラストを一目見ただけで胸がギュッと痛む現象」に見舞われたとだけお伝えします。K先生かな?

 

 

 ……そして水彩美術! これだよこれ! おかしいでしょ(非常にポジティブな誉め言葉)!

 背景、メニュー画面、マップ等々、ほぼ全てが水彩画で瑞々しく彩られ、世界観を雄弁に語ってくれます。
 移動していようが、アイテム画面を開こうが、タスクを確認しようが、精緻で美しい水彩美術が常に画面のどこかにあります。
 贅沢すぎる。素晴らしい。

 

 前述のとおりドット絵も見逃せません。ドゥルンドゥルン動くぞ。
 歩く・走るなどの基本動作だけでなく、アイテムを拾う、驚く、果ては「その場面にしか使われないリアクション」まで……量と質の両方で攻めてきます。
 とにかく豪華でカワイイぞ!

 

 水彩×ドット……? とお思いになるかもしれませんが心配ご無用。
 本作は画面全体にVideo FX(ブラウン管チックなぼかしエフェクト)がかかっており、びっくりするほど両者がきれいに溶け合っています。
 「なんかPS~PS2時代にこんなゲームあったわ」「なんなら今PS2でプレイしてるわ」くらいの気持ちになれるよ。

 

 ※ちなみに設定でオフにもできます。元々スペックをあまり要求しない軽いゲームですが、より軽くしたいのであれば抑えたり切ったりするといいかも。該当項目は[Settings > Graphics > Effects Intensity]です。ああ設定画面までかわいいなチクショウ。

 

 

【名曲揃いだ! LGTS!】

 歌だよ! お歌がすごいんだよ! 日本語だよ! 一部よくわかんないドイツ語だよ!
 何も言わずに公式さんがアップしているゲームのOPムービーを観てほしい……。

 

 

 先日、Steamニュースで、OPほか全ての歌について公式に日本語歌詞&日本語のローマ字表記&英語の原詞がセットで公開されました。
 日本語ネイティブでも「この歌詞どういうこっちゃよ」と解釈に迷う部分があったので、特に原詞が嬉しいこと嬉しいこと。
 これについては読んでも致命的なネタバレにならないと思うので、未プレイでも気になる方がいらっしゃったら覗いてみるのもいいかも。

 更にはOPのカラオケバージョンまで公開されました。「"2008年のあなたが一番好きなアニメOPをお部屋で歌うやつ"をやるときにどうぞ」とのこと。おお、ホスピタリティ……。

 

 

 LGTSに出演している声優さんは軒並み英語&日本語どちらもOKな方たちなので、パートボイスも歌モノも日本語でお出しされます。すごいね。
 OPは豪華絢爛なアニメーション付き、挿入歌はムービー付きという贅沢三昧。脂肪肝になっちまうよ。

 

 Elise嬢の中の人=Diana Garnetさん/月星るみんさんの凛として張りのある溌溂とした歌声がとてもよい……。

 

 Rozenmarineの中の人=aruHさん/Yumemi Caelestisさんの歌声もウィスパーボイスかつ儚げであり蠱惑的でとてもよい……。

 

 Freyaの中の人=Phoebeさんは作中では持ち歌がありませんが、なんと公式の制作陣の方に声をかけて自費でファンメイド(?)キャラソン&MVを発表するという他では聞かないド偉ぇことをしてらっしゃいます。どういうこと?(感謝)

 

 Lebkuchenは現状キャラソンや持ち歌がありませんが、中の人=chiisaさんが作中のほぼ全てのスキャットを仕込んでいたり、先述の「よくわからんドイツ語のお歌」も歌っておられたりするのでこれは実質キャラソンっすわ(厄介オタクによるえげつない言いがかり)。
 よくわからんドイツ語のお歌こと『Kürbis Märchen ~ Devilish Carnival』は作中でさわりしか流れませんが、フルで聴くとひっくり返るくらい格好いいトラックでした。始めて後半を聞いた時は頭が混乱しました。

 

 

 

 歌の話ばかりしましたが、もちろんBGMのクオリティも凄い。
 ランラララン♪ なスキャットがほぼ全ての曲に入る手の込みよう。それなのにしつこさを感じない、不思議と適度なメルヘンさ。

 自宅のBGMは、古い木造の匂いが漂ってきそうな穏やかかつ気の抜けた感じ。
 外に出るとピチカートがリードする爽やかな曲調が出迎えてくれます。Kieferbergの松林の風を感じるぞ!
 町に行けば人の気配を感じる活気に満ちた曲に切り替わります(町が活気に満ちているかはまぁ一旦置いておいて……)。
 時間経過で曲も変化。夕方も夜も、聴いただけで「今どの時間帯か」「どんな雰囲気の中にいるのか」が直ぐに分かる。
 情景描写力の高い名曲揃いです。

 

 私は最初にゲームだけを単体で買いましたが、クリア後すぐにOSTを買い足しました。
 隠しトラックのEliseのテーマ曲が好きです。ええねん。

 

 

【地獄のシナリオだ! LGTS!】

 

 可愛い娘たちが!
 ひどい目に!
 遭う!

 

 説明!!

 

 これ以上に説明する必要あるか?
 ありますね。はい、より詳しく説明します。ネタバレを避けつつ。
 ビシバシチャンプ、伝わる人いまどれくらい居るんだろう……)

 

 本作はホラーゲームではありますが、少なくとも前触れなくグシャーバリバリバリ! キャー! となるようなスプラッタ展開、グロテスク描写はありません。
 (ホラー領域探索タイムこと夜間のWitching Hourでは普通に物理ダメージを受けますし、ゲームオーバーになればグシャーバリバリバリな暗喩表現も出てきます。そこは予めご了承ください)

 

 このシナリオの怖さ・しんどさの真骨頂は、敬虔なムラ社会でじわりじわりと魔女狩りの圧に追い詰められてゆく息苦しさ。
 すごく乱暴な言い方をしてしまうと、住民たちが全員正気であるが故に迷信騒動に発展してしまう『ミッドサマー』。
 理解しがたい事実を前にしたとき、現実に抗って正気を保とうとすればするほど、精神は却って深みに嵌ってゆく……。

 

 登場する娘たちは全員、何かしらの問題を抱えています。
 それが物語の進行=状況の悪化に呼応して加速したりしなかったり、解決したりしなかったり、濁流に呑まれる木の葉のように翻弄される……そんな7日間の物語です。
 
 見えざる手に導かれ、時に自ら危険に飛び込み、最後に主人公Eliseは何を得るのか──。

 

 OPの段階で「ロクなことにならんやつだこれ」と思ったあなた、正解です。
 いやあ、真綿で首を絞めるような苦痛の泥濘の中で見出す希望の光は最高だね!(超いい笑顔)

 

 なお、このゲームは嬉しいことにマルチエンディングでしてよ。
 各々気に入るハッピーエンドやバッドエンドをお見届けになって。

 

 そしてこのマルチエンディングのうちひとつが、Astral Shiftさんの前作『Pocket Mirror』に繋がっています。
 前作をプレイ済みの方はニヤリとできるでしょうし、未プレイの方であれば気になってプレイしたくなること請け合い。
 当方は今やってる4周目を終えたらその勢いのままにPocket Mirrorに雪崩れ込む予定です。楽しみ。

 

 

 

【百合だ! LGTS!】

 

 朗報です。
 割と全力で百合というかGLというかレズです。

 やったぜ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 ただしあくまで全年齢少女漫画の文脈に則った恋愛描写がメインです。それがもどかしくもあり、良さでもあります。
 くっつくのかい! くっつかんのかい! 自覚あんのかい! ないのかい! の狭間で身悶えしようね。
 (もっとハードだったりじっとりしていたり血生臭かったりするやつが欲しければ自分で作ろうね)(小声)

 ロマンス描写が魅力的な物語に昇華されるには、佳き登場人物が必要なのです。
 皆もいい性格(色んな意味で)の女たちが付かず離れずすんの好きだよなァ!?

 

 

 

■ Elise

 我らが主人公Elise! 女子は食わねど高楊枝!
 おおなんと高笑いの似合う貧乏少女であることだよElise嬢。

 

 育てのおばあちゃんを亡くしてからは天涯孤独、身寄りもなく資産もないので日銭を稼いでなんとか暮らす日々。
 下らない説教にも迷信にも構ってられない! 気に入らなければすぐ言い返す! 見下されるなんてもっての外! な気高きパワフル貧乏娘です。
 そんな田舎の娘っ子が悪魔から取引を持ちかけられたらどうなるか、もうお分かりですね。

 

 公式からも愛ゆえに(?)ネタとしてこき下ろされる不遇な主人公ではありますが、文句を言いつつも友達思いだったり、町のちびっ子に付き合ってあげたりと、なんだかんだ情に厚いガキ大将的なところも持っています。昨今珍しいツンデレ族の末裔です。
 これは……幼いころから大切に思ってくれる自分と似た境遇の幼馴染(後述)や、好意からプレゼントを贈ってくる村の権力者の娘(後述)や、あなたこそが運命の人と全力サポートしてくれるオカルトガール(後述)から一斉に言い寄られるのも仕方ないな!

 まあモテます。Elise嬢はもっとその意味を考えた方がいいと思う。
 (自分は敬意を込めてバカリボンと呼んでいます)(それは敬意ではありません)(愛情ではある)

 

 

 

■ Rozenmarine

 物語のはじまりを告げる異教徒ガール!
 一神教の影響が強い地で生きるため、草に枕し星空を辿って暮らしてきた野生の美少女です。

 

 この物語のオカルト的、儀式的な部分をガイドしてくれるサポートキャラとしての役割も持っています。
 ミステリアスであるが故にやや疑わしく見えたりもしますが、小動物じみた可愛さがあるので怖がらなくても大丈夫。健気にEliseをサポートしてくれたり、異教徒としてEliseの知らない見識や新たな価値観をもたらしてくれます。かわいいね。

 

 放っておけない妹分かと思いきや、「夢に出てきたのはあなただったんですね……運命を信じますか? Elise……」と速攻で距離を詰めに来るぞ。

 

 私見:Rozeliseの魅力は「全く違う価値観を持つ二人の出会い」だと思っています。存分に異文化コミュニケーションしよう。

 

 

 

■ Freya

 貧乏主人公とは対極にいる親切・献身・愛されガール!
 Kieferbergの町長さんの娘なので暮らしは豊か。本人の積極的で明るい性格から町のみんなに愛される娘さんです。

 Eliseとは真逆の立場ですが、日々のお仕事は大体同じです。比較されることも多く……ざっくり言うとライバルです。
 最初はどうやら気まずい雰囲気の流れる二人だったが……? というのがFreyaのストーリーラインです。果たして二人は腹を割って話せるのか!?

 Freyaパパからも「おお、Eliseか! うちの娘がいつもお前の話をしているよ」と言われるくらいにはFreya側がEliseにご執心なのですが、如何せん初期の距離感が遠いぞ。
 頑張れ乙女Freya、Eliseが心を開くその日まで……!
 (そして実行されるプレゼント爆撃)(これが富)(はたしてそれは正解なのか)

 私見:Freliseの魅力は「異なる立場の二人の歩み寄り」というのが学会(1名)の見解です。普通の女の子たちの甘やかでしなやかな生き様をご照覧あれ。

 

 

 

■ Lebkuchen

 からかい上手の幼馴染の尼さん!

 だからシスターキャラは好きだっつってんだろやめなされやめなされ。はい、マイベストガールです。愛してる。

 

 シスター+幼馴染ときたらあらあらうふふと一歩引いて眺めるタイプが鉄板ですが、彼女は一味違います。誰よりもスパイシーにグイグイ攻めてくるぞ。なんで?
 どちらかというと、献身的な町のシスターというより「Eliseの心許せる幼馴染」としての側面がより強調されている子です。
 "I know you."は二人の間の頻出フレーズ。

 

 そして幼馴染故か、最初からどうにも距離感が近い。バグっている。もうデキてらっしゃるんですよね? といった趣の台詞がポンポン飛び出します。プレイヤーは死ぬ。
 そんなお互いを試しあうような応酬を繰り返すくせに、時折クリーンヒットが決まってどちらかが赤面したりしています。なんで? プレイヤーは死ぬ。

 

 私見:Lebliseの魅力は「既に互いを理解しきっている二人がその先の壁をどう乗り越えるか」の攻防にあります。一押しですそれはもう。

 

 

 

 余談。これは攻略情報なのですが……。

 ゲームのつくりの都合で、彼女たちと親密度を深められるおデートの機会は限られています。
 そしておデートの会話内容は親密度依存ではなく日数依存、つまり「2日目の会話を飛ばしたら3日目の話題がちょっとよく分からない」といった状況も起こり得ます。

 バランスをとって全員の親密度をゲットし、エンディングを網羅するのも賢いプレイ。
 しかし、もしプレイ前もしくは序盤に惚れた娘がいるのだとしたら、その子のデートだけは絶対に逃さず毎日見た方がいいです。個別シナリオの解像度がかなり変わってくるので……。

 (もちろん、バランスプレイをしてから二周目三周目で未読のイベント会話を見つけてその破壊力にひっくり返ってもよい)
 (私はそうしました)
 (正解はないのでご自由に)

 

 

 

【遊べるゲームだ! LGTS!】

 最初に「闇鍋」と申し上げた通り、LGTSには結構幅広いジャンルの要素が詰め込まれています。
 このゲーム、一言で説明し辛ぇわ!(だから4枚の画像だけではとても紹介しきれない……)
 なのでこうして言葉を重ねてお伝えしますね。

 

 ちなみに最初に断っておくと、LGTSのクリア時間はだいたい15~20時間です。

 1周で全ての要素を味わい尽くすか、あるいはまだ見ぬ要素を掘り尽くそうと何周もするか、それはプレイヤーのあなた次第。
 4周目に突入した者としては、「1周でほとんどの内容は把握できる。が、そこから数周することで拾える細かい要素がとても楽しいので周回もおすすめ」という感想ですね。
 周回は必須ではない。でも周回するほど深みに嵌る魅力があることも確か。

 

 

 

■ ライフシム、リソース管理要素

 生きるためには金がいる、金でパンを買わねばならぬ。
 ……ということで、7日間の物語を進行する上で「いつ働くか、いつデートするか?」の戦略が生じます。
 空腹ゲージがギリギリの状態で労働やデートに特攻してしまうと、時間が切り替わった後で倒れてゲームオーバー。
 腹が減っては主人公はできぬ。お腹は出来る限り常に満たしておきましょう。

 時間が有限とはいえ、詰むほどのシビアな調整はされていないので、無駄遣いを避けつつ堅実に生活しましょう。

 

 

 

ミニゲーム

 昼間に出来ることその1。
 有難いことにこの世界の労働はとても楽しいぞ!
 ミニゲームは全部で4種。魅力的なドットノスタルジックな紙芝居風アーケード筐体で描かれる労働タイムは、しんどいシナリオの清涼剤。
 でもKiss the Ratの調整はクソだとおもいました(安定してSランク取れるようになったけど……)(やり込みの賜物)。

 とるとるバトル(カービィ64)じゃねぇか! グルーヴ地獄Vじゃねぇか! リズム天国じゃねぇか! なんか少女漫画月刊誌の特別号についてくるCD-ROMに入ってた謎ミニゲームじゃねぇか! キティちゃんのポップコーンのガビガビ音質じゃねぇか!
 ……と脳内の引き出しに奥深く仕舞われた懐かしいあいつらの名前を出しつつ遊びましょう。
 おおトシがばれる。

 

 

 

■ デートシム

 昼間に出来ることその2。
 前の項目で説明しそびれましたが、会話で出てくる選択肢のチョイスによっては親密度が上がらなかったりします。一問一答式。

 ハズレの台詞にはメリットがなく、ただただデートが一回分無駄になるだけです。でもハズレを引いたときの気まずい会話も見たい……(厄介)。
 また、個人的にはどっちも正解じゃん!? と迷った挙句に間違える場面もそこそこあったように思うので、デート前はセーブ必須です。

 セーブ&ロードを駆使しつつどうにかこうにか女タラシになりましょう。

 

 

 

■ ホラー探索アドベンチャー

 願いを叶えてくれるとかいう謎の存在から課される、過酷な試練に挑むぞ!
 この辺はハチャメチャにゴージャスなフリーホラゲと説明すると伝わりやすいかな。

 そこまで難易度も高くなく、また意地悪なジャンプスケアもないので、安心して気味悪がりましょう。なんなのあの骨! なんなのあの石仮面!
 先述の通りここでしくじるとグシャーバリバリバリな目に遭います。
 しかもHPは就寝して日を跨いでも回復しません。HP回復アイテムが必須です。お金は空腹回復アイテムのために常に要求されるので、出来る限りダメージを受けないように気を付けるか、お金のかからない拾えるアイテムを丁寧に探すかしてリソースを管理しましょう。

 不気味な森に踏み込み、数多の危険を乗り越えて、時にその胸裏に秘めた欲望を暴かれながらも、勇気を振り絞ってランタン片手に進もう。

 

 

 主要な要素はこんな感じです。
 実際にプレイした肌感だと、[会話:探索:ミニゲーム=5:3:2]くらいでした。

 正直に言うと、ゲームのメカニクスとしてLGTSにしかない! 大発明! というほど真新しいものはありません。
 しかし、執念の滲み出るアートワーク、先の気になる(嫌な予感しかしないともいう)シナリオ、楽しみな明日のおデート等々、ゲームプレイのモチベーションを牽引する要素はいくらでもあります。

 刺されば家から町まで歩いてゆくだけでも楽しい。好きなところを見つけて、そこをとことん愛でるのが楽しいゲームです。

 

 

 

【以上だ! LGTS!】

 紹介としてはこんな感じです。
 まあ改めて眺めてみりゃ大体はSteamのレビュー欄で諸賢が書いておられることですね。
 とはいえ私が私の手で語りたかったのでそれはそれでよい。

 

 本当に、本当にいいゲームなんです、Little Goody Two Shoes。こんなに頭から離れてくれないゲームは久々だよ。

 

 いいからDemo版をやってくれ。
 あわよくば本編を買ってくれ。
 気に入ったらOSTも買ってくれ。
 なんなら『Pocket Mirror』も買ってくれ。
 Pocket MirrorのOSTもあるぞ!

 

 私は全部買いました!!
 設定画集なんかも出していいのよ!!
 LGTSもPMみたいにPlushieとか出していいのよ!!

 

 愛してるぜLittle Goody Two Shoes! こんな気持ちにさせてくれてありがとう!


 といったところで今回の記事はここまで。
 次回があればまた次回。