週報タルトトタン

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#103 風花雪月無双青ルート感想:オタク編

 

 


 さて、『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』の感想の後半戦です。
 ※以降、風花雪月原作を“本編”、本スピンオフを“無双”と表記します。

 今回の《オタク編》はシナリオや支援会話などに焦点を当てて、きわめて個人的な感想を綴ってゆこうと思います。
 ゲームとしての感想は前回の《ゲーマー編》をご参照ください。主に戦闘システムに対して辛口意見を述べています。

 ここから先は贔屓目アリ、クソデカ拗らせ感情アリ、個人的解釈アリ、悶絶奇声アリの危険地帯です。
 ついでに文頭から文末まで青燐ルートのネタバレたっぷりです。
 おいおい地獄か。

 そういうのが苦手な方、または未クリアの方は早めに避難してください。
 あえて読みたい勇敢な方はどうぞ気を付けてお進みください。

 

 せめて日本語として解読できるレベルは保たないとな……。

 

 

 

 

【前提としての自己紹介(再掲)】

 「きわめて個人的な感想」といっても、じゃあお前は何者なんじゃいという話で……。

 風花雪月は「どのルートから遊んだか」「何周したか」「どこが心の故郷になったか」「誰を支援Sに選んだか」あたりの経歴で意見が割れるタイプの作品ですので、前回の記事で名刺代わりに書いた前置きをコピペ再掲しておきます。
 ご参考までに。

 

 

<再掲ここから>

 

ファイアーエムブレムシリーズは風花雪月しかやったことのないニワカ
 ⇒ SRPGにあまり馴染みがないもので……新作が来たら多分やります。

 

・本編は青獅子→金鹿→灰狼→黒鷲教団→黒鷲帝国の順でクリアした(全てクラシック、難易度はノーマル〜ハード)
 ⇒ 最後の黒鷲帝国ルートは精神的にかなり“来た”ので休み休みやりました。かなりの長期間格闘していた気がする。

 

・黒鷲は分岐を保存したので実質3.5周、総プレイ時間300時間
 ⇒ エクストラモードで支援会話やBGMを鑑賞していただけの時間も含みます。

 

・心の故郷はファーガス神聖王国
 ⇒ やっぱり最初に加勢した陣営が一番になるんだなって……それはそれとして同盟も教団も帝国もみんなそれぞれ味があって好きです。

 

・最初に支援Sしたメルセデス=フォン=マルトリッツに尋常ならざる執着を抱く百合の民
 ⇒ 並々ならぬ感情を抱いています。ラヴ。

 

 上記のようなゴリゴリの王国民かつマルトリッツ親衛隊が、無双の青燐ルートのみを一通り遊んでクリアしたのが現在の状況です。

 

</再掲ここまで>

 

 

 今回は実家(好きな陣営)と選択したルートによって意見が割れているようですね。
 予め断っておきますと、王国が実家の青燐ルート選択者としては、無双の内容を概ね好意的に受け取りました。

 では、以上を前提に進めます。

 

 

【ifルートの展開について】

 

 発売前に「今作の主人公はシェズ、前作主人公のベレト/ベレスは敵!」とアナウンスされた時は流石に動揺しましたね。
 なんせベレトス先生に結構な思い入れを持っていたので。ミステリアスで魅力的な一人のキャラクターであり、プレイヤーに最も近い相棒でもある。
 単純に敵として討伐したくなかったですし、かつて共闘した士官学校の生徒たちと敵対させたくもなかった。
 それに支援Sに拘る(前述のとおり)って、突き詰めると「特定の人物と先生との絆に愛着を持つ」ってことじゃないですか。その絆が覆されるのが怖かった。

 

 また、英語タイトルが『3 Hopes』と銘打たれたことも不安要素でしたね。
 ベレトス先生では成し得なかった大団円エンドをシェズが達成してしまうのではないかと危惧していました。
 大団円なら良いじゃないか、と言う層もありますが、「ベレトス先生では大団円ルート(別解)に辿り着けない」と公式から示された場合、本編との300時間にわたる関わり自体が大いなる茶番に変化してしまう気がして、もしそのような筋書であれば到底受け容れられないな……と警戒しておりました。

 

 その点、無双のシナリオは「大団円アリナシ問題」と「前作主人公の扱い問題」を見事に回避・解決しています。
 蓋を開けてよくよく観察してみれば、恐れるべきことはどこにもありませんでした。

 

 まず、全ての陣営が結託するルートはどこにもないという点。
 王国はどうあがいても帝国と激突しますし、他ルートも他陣営と共存するシナリオではなさそうです(ここは伝聞)。
 まあ公式でも“交わらぬ道”って明言されてますしね。

 このifの世界に分岐したのはラルヴァがシェズに加担して覚醒させたからであり、本編と無双のシナリオの違いは「先生からの介入の有無」ではなく「出会いのキッカケの違い」でしかない、というのは……上手い。

 

 ラルヴァの加護により、ベレトスとの闘いでシェズが生存する
  ↓
 ジェラルト傭兵団を探してルミール村に接近したシェズ、三級長と邂逅
  ↓
 三級長とベレトスの出会いを回避
  ↓
 ベレトスが教師にならないことで(おそらく当初の予定通り)イエリッツァが教師になる
  ↓
 イエリッツァの指揮のもと、モニカが救出される
  ↓
 モニカ、書庫番トマシュが怪しいと証言
  ↓
 トマシュ=ソロンの正体が暴かれる
  ↓
 闇に蠢くもの・アガルタ、本編とは違う陽動作戦を開始
  ↓
 各地の混乱に対応するため、士官学校は休止に

 

 こうやって辿っていくと、物凄いピタゴラスイッチ装置ですね、無双のシナリオ。

 ともあれ、これで我々は「先生に出会わなければああならなかった、こうならなかった」と議論しなくて済む訳です。
 キッカケを辿れば、問題の本質はベレトスが教師になったことではなく、ボタンの掛け違いによってアガルタ陣営の動きが変わった=士官学校編がなくなったこと。
 こうして見てみると、ベレトスも巻き込まれる側だったのかもしれませんね。

 

 そして、今作主人公シェズが大局に首を突っ込める立場ではなく、なおかつ前作主人公ベレトスよりも自我がハッキリと描かれている点。
 これはいい意味で「やられた!」と思いました。上手いことやりおって!

 ベレトス先生は、言ってしまえばチート主人公であり、選んだ級長のケアをして陣営を勝利へ導く謎パワーがありました。
 シェズにはそれがなく、あくまで陣営の一員として、他の登場人物に近い描かれ方をしています。普通に台詞もあるしね。
 先生と同じく脳内に棲まう謎住人もいますが、ラルヴァはあくまで大局を覆すような存在ではありませんでした。どちらかというと闇に蠢くもの・アガルタの陰謀の一端を描くための存在でしたね。
 そりゃ自称人間が“はじまりのもの”ことソティスに太刀打ちできる道理はない……。

 

 こうして今作主人公は前作主人公の立場を喰うことなく、独自の立ち位置を手に入れた訳です。めでたしめでたし。

 

 

【メインシナリオについて】

 

 打ち切りエンドでしたよね。(単刀直入)

 

 これについては肯定的に受け取っています。
 青燐の章の視点からいえば、タレス討伐&エーデルガルト無力化の時点で帝国の体制は総崩れですし、あとは消化試合にしかならない。
 帝都アンヴァル陥落までを描くにしても、物語にそれ以上の盛り上がりを期待できないんですよ。それならば、決定打となる戦いまでを描いて、その後の展開は皆様のご想像にお任せ……とするのが綺麗な終わり方なんでしょうね。

 

 更に言うと、前述の通りシェズはあくまで戦争に加勢しているいち人物に過ぎず、彼らの行く末まで見届けるポジションにいないと解釈することもできます。
 だからこそクリア後に彼らの未来を確定させるような要素(メインシナリオのエピローグ、人物ごとの後日談、支援Sエンド)が無双には存在しない。
 ちょっと物足りないですが、あったはあったで心中複雑になりそうだったので……これはこれで。

 

 開発者インタビューか何かで、「本編において正史は存在しない」「無双は本編の体験を損なわないようにする」と明かされていたようなので、メインシナリオの終わらせ方はその辺に配慮した結果なのだろうと考えています。
 語弊を生むかもしれませんが、スピンオフたる無双は本編のシナリオを越えてはならないという制約を課せられていた、とも言えますね。

 

 

 青燐の章における青獅子の学級メンバーの動向について。
 これは少し寂しいことですが、王国出身の彼ら、特に幼馴染貴族組にとっては、士官学校が中止になった方がおおむね幸せになれるようですね。
 青獅子の学級での士官学校生活が思い出に強く刻まれている分、これを認めるのには少々時間がかかりましたが、冷静に俯瞰すれば……まあ当たり前のことです。

 そもそも青獅子の学級は、本編の士官学校編において

  • 先王ランベールの実子であるディミトリが戴冠を行っておらず、国内情勢が不安定である。
  • アッシュ、養父のロナート卿の討伐を命じられる。恩人と敵対。
  • シルヴァン、廃嫡された実兄の討伐を命じられる。肉親が魔獣化する様を目撃する。
  • アネット、失踪した実父とすれ違う。
  • ディミトリ、復讐先を炎帝=エーデルガルトと見誤る。

 ……と、思いつくだけでもロクな目に遭ってないので、スキップした方がどう考えても精神衛生上よろしい。
 その結果、ベレトス先生と出会わないルートの方がベターであるという結論が導き出されてしまったのは残念ですが。
 まあ、彼らが幸せならそれで……。
 そこに先生としてのベレトスがいないのは悲しいけれど……。
 めっちゃ悲しいけれども……ウッ……。
 (未練たらたらである)

 

 メインシナリオ自体は、堅調な戦記物らしく進行するので、第一部までは読み物として興味深く楽しませていただきました。真っ当な理由付けがなされた進軍経路いいよね。本編の方のブッ飛んだ進軍経路も面白かったですけども。
 第二部からは……ちょっと飽きがきたような。丁寧に描くあまり冗長になってしまったように思います。
 王国の内情を丁寧に見せていただけたのは物凄く嬉しかったし有難かったのですが、流石にステージが多すぎて食傷気味に……(これはゲーム編的な感想)。

 

 信頼できる臣下としての王国メンバーが比較的安定していることもあり、本編では大荒れ大爆発を起こすあのディミトリが、表面張力スレスレでどうにか持ち直して王として覚醒できていましたね。よかったよかった。どっとはらい

 本編での荒れようを知っているオタクとしては「大丈夫? 一回爆発して膿を全部出しときな?」と思わないでもなかったのですが(それロドリグ殿が確定で死ぬチャートだぞ良いのか)、その分をフェリクスやシルヴァンが頑張ってケアしてくれていたので、そんなに心配する必要もないなと。

 というか特にフェリクス、無双で株を上げすぎてませんかね!?
 フラルダリウス家の家督を継いだことで、元々持っていた世話焼きの性質がより表に出てきた感があります。
 そのくせアネットちゃんの歌ガチ勢だし。怪我した猫を拾ってくるし。
 何なんだよこの男。本編より生き生きしているぞ。

 

 あと特筆しておきたいことと言えば、アガルタによるエーデルガルトの扱い。
 これは……ここで改めて書くよりも、Ep.9クリア当時に書き殴ったメモが雄弁に語ってくれるでしょう。引用。

 

 

 はい。

 プレイヤーに地獄を見せることにかけては他に並ぶ者のない風花雪月タイトルですが、ここまでやるかと。

 アガルタは恐らく通常の人間ではできない「魂の保存および移植」に関する技術を有しており、エーデルガルトの幼児退行については、単なる暗示ではなく「幼少期に取った魂のコピーを移植している状態」なのではないかと解釈しています。
 (魂のみで存在できるのは神祖と眷属だけ、と本編アビス外伝でレア様が言っていた気がするので……)
 いやもう、どこまで少女エルを食い物にするんだと。
 いくらフォドラの民が自分たちを迫害してきた“獣”の末裔だからといって、こうまで尊厳を踏みにじるような真似は許されん、許されんぞタレス

 しかも青燐の章のラストでついにディミトリを“短剣の少年”と認識するのが……。
 アレじゃん……。
 本編の「短剣の誓い」より辛い再会じゃん……。
 おれ……おれもうどうしたらいいの……。

 

 

 一時的な休戦状態でもこの辺の踏み込んだ話を出来ないのが、この二人のなんとももどかしいところで。
 ザラスの闇に閉じ込められたとき、本編ファンなら誰もが夢見たであろう(主語デカ)級長たちの対話が発生しますが、ここでも匂わせ程度にとどめてしまう殿下お前ほんとそういうとこやぞ。

 

 ディミトリ&エーデルガルトの対話。
 既に立場上対立する他なくなっているTHE・ドン詰まりという点では、本編の「短剣の誓い」に近い構造ではありましたが、ディミトリがあくまで幼少期の話題に触れなかったのは、この先エーデルガルトと決別せずに済む展望を捨てきれていないからか……?
 本編で短剣を渡したのは、ある意味「次に会うときはどちらかが死ぬ時」という覚悟があったからこそ。
 何故ディミトリが頑なに明かそうとしないか、私としては今一つ理解しきれていないところがあるのですが(人間の心理を読み解くのは苦手だ……)、やっぱり幼いエーデルガルトから母を奪ったという引け目、義母への疑念、そのあたりが邪魔をしているんでしょうかね。
 何にせよもどかしい。

 

 ディミトリ&クロードの対話。
 これは予想外なほど綺麗に意見が割れて、見ていて面白かったです。
 こうやって見てみると、ディミトリは決して人道路線一辺倒な訳ではありませんし、クロードは意外と過激派である面を覗かせたりと、本編で王国と同盟が結託できなかった理由が垣間見えて興味深いですね。そりゃ教団とズブズブの王国と組まない訳だ。
 クロードが「猜疑心の塊」と自称するように、彼は信頼できない要素を全て容赦なく排除した上で己の理想を敷くのがベストだと考えているようです。これは本編では見えなかった性質。
 となるとやはり噂に聞く通り、黄燎の章は帝国ばりにフォドラを蹂躙してゆくクロードを見ることができるんでしょうかね? どうしよう、他ルートも気になってきたぞ……。

 

 

【ベレトスを斃すか否か】

 

 風花雪月本編から「あくまでどのシナリオも正史でありifである」というメッセージを受け取った人間としては、ここ分岐させる必要ある? と疑問を呈さずにはいられません。

 簡単に分岐を対比してみると、

 

 《ベレトスと敵対する》
  →ロドリグ、ジェラルト、ベレトスが死ぬ。ロドリグの死により王国の体制にダメージ。「はじまりのもの」は消滅。ラルヴァは存続。

 

 《ベレトスと共闘する》
  →ジェラルト、ベレトスが仲間に加わる。「はじまりのもの」が敵ではなくなる(多分)。ラルヴァはエピメニデスもろとも消滅。

 

 ……これ明らかに敵対する方がBADルートじゃん!

 メインシナリオの範囲内なら大して問題はありませんが、特にラルヴァ/エピメニデスが残るのは打ち切りエンドのその先に大いに影響するはず。
 そう考えると、明らかに共闘ルートの方が“正解”な訳です。

 本編において歴史の“正解”を示さなかった風花雪月タイトルが、ここにきてあからさまなBADルートを用意してきた意図は何なのだろうか。
 個人的には「ベレトスをプレイヤーの手で倒せる」という選択肢のためだけに作られた分岐のように思えてならないのですが、どうでしょうか。
 そりゃ私だって一回くらいは先生をしばいてみたかったのが本音ですが、まさかロドリグ殿を生贄にしなけりゃならないなんて……そんなん聞いてないよ……。

 というかロドリグ殿、毎度毎度テキトーに死にすぎだよ……アンタってお人は……。

 

 

【シェズの物語の着地点】

 

 結局、シェズ子ちゃん/シェズ太くんが何者なのかは作中で名言されないまま。

 なんとなく、アガルタの重要人物であるエピメニデスの魂の移植先として作られた器(=人造人間)だったんだろうナ~くらいは察せますが、では何故シャンバラから出てきたのか育ての母は何者だったのかそもそもエピメニデスとはアガルタにおいてどのような地位にある存在だったのか、経緯が何一つ分からない。
 アッシュくん、せめて村長から届いた手紙の内容だけでも教えて。

 加勢した陣営の話を解決しつつ、アガルタ勢の正体を暴く鍵になるシェズの物語を展開する……というのは難しかったんでしょうね。ボリューム的に。
 出来ることなら追加DLCなんかでこの辺を掘り下げてくれるととても有難いのですが、どうでしょうか。出るのかなDLC

 個人的には無双60時間の旅を経てシェズがかなり好きになったので、彼女ないしは彼にきちんとした結末を与えてほしいな、と思っております。
 あんなに活躍したのに実質モブじゃ勿体ない。

 

 

【if展開による登場人物たちの言動の変化について】

 

 環境が変わったことで、培ってきた経験や立場も本編とは異なる登場人物たち。
 その言動の変化は、本編から豹変したようにさえ見えるソティス含め、《妥当かつ誠実な描写》だと感じました。
 多面的に見ることで人物への理解が深まることもある。その「多面性」を描くのにはお誂え向きの舞台でしたね。無双世界のフォドラ。

 

 先述のとおりフェリクスは家督を継いで公爵として大活躍。
 シルヴァンは兄殺しを経験しなかったことで隠し持った弟気質を殺さずに済んでいるようにも見えます。
 アネットは父と再会を果たして西方諸侯の穏健派たる伯父と王国軍との接点を作り、内乱平定に寄与。
 イングリットは帝国に決して与さない忠義の騎士としてその身を挺する(あんまり変わらないか)(でも本編より心なしか青い)。
 アッシュは騎士として成熟した後にロナート卿と敵対することで、自己の正義感を再確認する。
 ドゥドゥーは死地に陥らないことでディミトリの死者コレクション入りを回避(それは本人に関係ないのでは?)。
 メルセデスは……後述。別項にて。
 ディミトリは少しずつ他人に頼ることを覚え、抱えた妄執を友人に打ち明けられるようになる。

 

 一文にしてしまえば簡単なことですが、これらの差異が拠点会話や支援会話で小出しにされるので、プレイするほど人物像がより立体的に、魅力的に見えてくるんですよ。
 これがな、これが最高なんよな。

 

 そうそう、ソティスの変貌が個人的には一番衝撃的で、かつ一番好みでした。
 そりゃそうだ、士官学校編を経験せず、フォドラの今を生きる若者たちのことを碌々知らずに完全覚醒してしまったとあれば(しかも宿主はベレトス:灰色の悪魔Edition)、人間どもにかける慈悲も温情もない訳です。
 そこにあるのは苛烈なる主神としての純粋な力だけ。
 力は力でしかなく、善にも悪にもなりうる。
 今回は人間に情が湧かなかったからあのように振舞ったまでのこと。いいよね、神の多面性。アガルタの民がナバテアの民を恐れるのにちょっとだけ共感しました。

 

 

支援会話について】

 

 かなり美味しいところに補足が入っていたように思います。
 本編で盲点になっていた組み合わせが補完されていてオタクちょううれしい。踊り狂う。

 逆に「なんでそこがAまでないんですか!?!?!?!?!?」なところもありましたが、仮に作ったとしても本編の焼き直しになってしまうため敢えて避けたのかなとも。
 メルセデス&コンスタンツェでC止まり会話なし、は流石に不自然ですからね。
 そういう空白は「本編のAと同じ会話が発生している」と勝手に脳内補完することにしました。

 

 また、これは拠点会話にも言えることですが、本編の展開を匂わせてくるやり取りなども随所に仕込まれていて、毎回毎回胸をグッと押さえておりました。ファンを喜ばせにくるじゃない……。
 そういう部分まで余さず楽しむためにも(ゲーマー編からの繰り返しになりますが)『無双からやるな、本編から入れ』は大前提になりますね。
 これを100%楽しめないなんて勿体ない。是非、訳知り顔でニヤついてほしい。ファンディスクとしては至上の仕上がりですよこれは。

 

 

 そうそう、「この支援会話好き」をいちいち挙げていたらとんでもない字数になってしまいそうなので、特に面白かった支援だけピックアップ。
 個人的には全部楽しめました。相変わらずテキストの質はいいし、声の演技はハマッてるし。

 

 メルセデス&フェリクス
 公爵が猫を拾ってきただけで既に面白い。本編でのエミール対比問題を思い出しつつ鑑賞すればエモさ10倍。というか君ほんとに弟に似ているな。

 

 ○ アネット&コンスタンツェ
 ついに来た! 魔道学院のおもしれー女たちの頂上決戦。というかアネットちゃんは支援会話に現れるだけで全てをギャグに変えてしまう。好き。

 

 ○ アッシュ&ユーリス
 本編になかったのが不自然なくらいの二人。でもアッシュが騎士になっていないと対等な会話ができない二人でもあった。アッシュ君は人たらし。

 

 ○ カトリーヌ&シャミア
 最初見たときは何この……何が起こった? と混乱した。こいつらいつも口説きあってるな。百合(?)成分が足りなかったので有難い。一生やってろ。

 

 ○ ロドリグ&イングリット
 無双でなければ見られなかった夢の会談。フラルダリウス家に深く刻まれた傷でもあり、ガラテア家との絆でもあるのがグレン兄貴なんだわな。

 

 メルセデス&イエリッツァ
 本編ペアエンドを思うと涙なしには見られない。メルセデス殿のあんな泣きそうな声、初めて聴いたンだわ……。ああ……。

 

 ○ ベレス&ジェラルト
 ベレスが「先生」でなくともちゃんと感情を有しているところ、ジェラルト殿が人の親の顔をしているところ、どちらも見られて本当に良かった。

 

 ○ ベレス&シェズ
 プレイヤーキャラではなく一人の人間として相対してみると、やっぱこいつ魔性だなと思う訳です。底知れない魅力……。

 

 

メルセデス=フォン=マルトリッツ】

 

 メルセデス殿はかわいい。
 それ以外にどう言い表せと?
 (それじゃ話が進まないからもっと具体的に話せ)
 (はい)

 

 新ビジュアル、良かったですよね。
 個人的には本編5年後が一番好きなのですが、今回の修道服アレンジ&おろし髪もファビュラス。かわいい。

 

 遠乗りにて「忙しくて髪のお手入れができていない」とこぼしていたのは意外でした。
 本編のお茶会では「どんなに忙しくても肌のお手入れは欠かさないようにしないと」と話しており、戦況が過酷になっても自身のスタンスを崩さない強さをそこに見出していたのですが、無双時点での彼女はまだその境地に至っていなかったということか……。
 些細なところに年季の違いを見出すオタクでありました。
 確かにちょっとアホ毛が多いような。かわいい。
 
 また、無双・青燐の章においては彼女自身の掘り下げがあまり成されなかったことは致し方ないと思っております。
 彼女はそもそも所属陣営の事情からして拗れているので。帝国など他陣営に引き抜くことで新情報が飛び出す可能性は非常に高い……。

 

 (でも個人的には帝国にあまり引き抜きたくないんですよね)
 (どのルートでも自分の幸せを見つけられる強さを持ったひとだと信じていますが、本編帝国ルートだと温室に2節連続で引き籠るなど苦悩している様子が伺えるので……)
 (「誰も見捨てない女」という意味では、彼女の理念に一致している陣営は間違いなく王国なんですよ……彼女は王国出身ではないけれど、青獅子の学級の一員……)
 (とはいえ弟君と合流できる本編帝国もまた幸せの一つの形であることは確かな訳で……むぐぐ……)
 (ここまで拗らせオタクの呻き声)

 

 さて、クリア後に俯瞰してみると、青燐の章の世界は彼女にとって最も幸せな世界かもしれないと思えてきます。
 彼女の弟(イエリッツァ/エミール)、親友(アネット)、親友の父親(ギュスタヴ)の全員が無事なので。

 

 いずれにせよ、いちオタクの私としては、彼女が涙を流すことなく只幸せに生きていてくれればそれでいいんですよ。
 幸せでいてくれ。
 そこに先生が居ないのは寂しいけれど。
 (拗らせオタクの遺言)

 

 

 なにが言いたいのか分からなくなってきたところで、スナイパーとなったメルセデス殿の雄姿を掲載してお茶を濁します。

 

 

 おお絶対領域

 

 

 

【遠乗りについて】

 多くは語りません。秘蔵のお宝ショットたちをご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【副官について】

 

 機能としてはどう考えても蛇足でしたが(ゲーマー編、④の項参照)、楽勝ステージでお遊びでバディを組むぶんにはサイコーなシステムでした。

 コンスタンツェはお姉さまお姉さま言い過ぎですのよ(かわいい)。
 メルセデス&イエリッツァの「私だって戦えるのよ」は胸がはち切れるかと思いました。アア~~~~~~~~~好き。
 というかメルセデス殿関係でしか試していないことに今気付きました。もっと活用すればよかった……!

 

 

【敵対について】

 

 基本的に、本編から一貫してスカウトはしない方針だったので、灰狼メンツ以外は敵対即撃破でした。すまない皆。
 覚悟を決めて戦場に出てきている以上、在るべき陣営にいてほしい……たとえこの手で殺すことになっても……的な感情です。エゴだよ。

 そんなプレイヤー側の悲壮な覚悟とは裏腹に、思ったほど級友と敵対せずに済んで拍子抜けしました。青燐の章だと同盟は仲間になるからね。
 別ルートだとどうなんだろうか。帝国だと容赦なく全員蹂躙しそうだけど(お前は帝国を何だと思ってるんだ)(覇道の権化)。

 

 その代わりなのか何なのか、帝国の七貴族たちがどんどんでてこいはたらくきぞくと言わんばかりにゾロゾロと出てきてくれて楽しかったですね。
 ワァ~~~あの子の親! 血の繋がりを感じる! と大喜びしながらしばき倒しておりました(サイコパスじゃん)。

 これは王国でもそうですが、無双、おじさん天国すぎませんか? おじさんが好きな私の友人が息絶え絶えになってましたよ。よかったね。

 

 

 

【後半戦終了】

 

 終盤にかけて乱雑な内容になってゆきましたが、上記のような具合でオタクとしては存分に楽しませていただきました、風花雪月無双。
 スクショ、通算で3000枚も撮ってた。何事。この中からブログに載せる画像を選ぶのはエライ大変でした。自業自得。

 とにかく「新情報が出る」「別の角度から人物を描いている」の2点だけで100点満点中120点! といったトーンの感想になりました。
 もちろん、シェズの身の上などまだまだ欲しい情報はありますが、現状のままフェードアウトしたとしても個人的にはお腹一杯にしていただけたのでOKです。
 はち切れるかと思った。

 

 さて、前後編に分けて綴ってきた感想もこれでおしまいです。ああ書き切った。
 あとはいつか出るであろう(希望的観測)設定資料集に備えるのみ。

 かつて共に過ごした青獅子の学級の仲間たちとまた会えただけでも貴重な体験でした。
 ありがとう無双。

 

 

 万感の思いを込めて締めくくったところで今日はここまで。
 来週からはいつも通りのトーンに戻ります。

 それでは、また次の日曜に。