週報タルトトタン

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#040 続・俺屍R、業原一族の話


 先週(#039)に引き続き、俺の一族の話を聞いていってくれ。

 PSP俺の屍を越えてゆけR」のプレイ記録を振り返りながら色々と語ってみる回、二回目です。
 先週は初代当主“業原元八”から四代目当主世代までを順番に語りました。
 今週は五代目からどこまでいけるでしょうか。意外と毎世代語ることがあって、三年経っても事細かに当時の出来事や心境を思い出せるものだなぁと感心してます。
 そんなペースじゃ今月いっぱいかかってしまうので、そろそろペースを挙げていきたいところ。


 当時のプレイ方針は、
  ・どっぷり固定
  ・初代×初期女神様の4家系を維持する
  ・名前は男子を各家系ごとに「○道/継/実/正」、女子を「お○」とする
 としていました。


 それでは早速、五代目世代から。

 


 6/13追記:俺の屍を越えてゆけ 家系図ジェネレータ(Ver.2.7.2)をお借りして家系図を作りました。あと画像も追加しました。
 

oreshika.net

 

 

 

 

【闘魂! 激動の五代目世代】

f:id:tarte-tutan:20210613162232j:plain [お立] 日課:腕立て千回
 五代目当主、薙刀士、女1番。お隼と七天斎八起の娘。

f:id:tarte-tutan:20210613162235j:plain [峯継] 好物:栗きんとん
 継流、槍使い、男16番。お新、大隅爆円の息子。

f:id:tarte-tutan:20210613162240j:plain [お清] 好き:清水寺
 実流、拳法家、女2番。お香、孔雀院明美の娘。

f:id:tarte-tutan:20210613162243j:plain [頼正] 愛称:当主代理
 正流、剣士、男1番。お倫、虚空坊岩鼻の息子。


 脳筋四代目から産まれた娘お立。七天斎八起様(だるま)とのお子ということで立と名付けたのですが、なんと「日課:腕立て千回」を母から受け継いでしまうというなんとも暑苦しい展開に。鬼朱点打倒を担う代の当主ということで、この暑苦しさや直向きさは救いだったかもしれない。王道ヒーロー的に。女の子ですけど。
 八起様の体土を受けた結果、だれよりもガチガチに硬いフィジカルを得た鋼の五代目でした。
 彼女が隊長となって鬼朱点を撃破したときはまだ四代目の母お隼が存命で、自身の母も家族も、さらには新しい家族(お倫の息子頼正)まで救えなかったという失意はどれほど大きかったろうと思います。再起のキッカケは、母お隼の永遠のライバルことお新の叱咤だった……というドラマで密かに脳内保管していました。
 鬼朱点打倒後は闇の光刃(火属性の薙刀)を振り回して独りがむしゃらに闘っていた彼女ですが、いつしか武器が揃って峯継・お清たちと火属性武器の闘魂トリオを組めたことで、どこか孤独ではなくなったように見えました。
 ちょうどシナリオの節目にあって、戦況的にも精神的にも過酷な状況に置かれた彼女ですが、持前の心と体の土、さらには同世代たちの支えあって耐え抜いて次代に託した熱い女でした。

 峯継を語るにはお立との関係性を避けて通れません。
 ステータス的には心の風以外に不安がない天才肌で、先々代から続く槍術師(物理攻撃と術攻撃・補助を使い分ける業原一族特有の役割)を担っていました。
 お立が「耐え抜く」女だったために、次に続く子らは支えるか励ますかの役割を持つのが必然でした。
 心の土が強いお立に共鳴して、心の風(気まぐれさ)を欠く峯継は「当主お立の真摯さ・辛抱強さに共鳴する役」としての腹心に収まった印象があります。随所にお立への視線を感じる行動が増えていったのもあり。お立が倒れて六代目当主に代替わりしたタイミングで健康度が下がるなど、本当にお立絡みのイベントに事欠かない男でした。
 当時のメモにも「お立が思い詰めなくて済むよう、お立より強くなろうと誓った少年期であった」「すっかり丸くなった交神後の五代目当主を複雑な思いで見守る」などの走り書きが残されてます。
 そんな(ともするとお立に相応の情を抱いていそうな)彼でしたが、最終的に初陣に出た息子章継が倒れた際に「老い先短い自分の命で助かるなら安い買い物だ」と反魂の儀を申し出て命を託すという結末を迎えました。
 それ自体はプレイヤーたる私自身の落ち度でしかないのですが、この顛末に峯継自身の献身的な性格とか、自己犠牲的な傾向とか、そういった本質が見えてくるようで、どうにもリセットをする気にはなれなかったのです。

 お清は天真爛漫の娘というイメージが強い子です。初陣が鬼朱点打倒後のタイミングだったこともあり、要は「楽だった時代を知らない、苦境もこんなもんだと思っている」という点がそうさせたのかもしれません。
 闇の光刃を振り回す当主お立、共鳴するように男気貫徹槍を手に取った峯継に割って入るように燃える拳を持って戦場ではしゃぎ回る彼女は、大江山越え直後の一族の救いでした。
 健康度がギリギリになったタイミングで一族初の陽炎使いになるなど、最後まで諦めない業原家の“原動力”たる行動を端々で見せてくれたのが印象的でした。

 頼正は「天狗の子」「最初は末っ子枠」「当主代理という愛称」「心の火と風が突出」という属性から、弁の立つ弟分・いじられ気質というキャラ付けがなされました。博龍丸を持っていなかったころは益荒男刀を持たされて闘魂カルテットに仕立て上げられた場面もあり。
 鳴門屋渦女様と交神したのは「渦中の男」という意味合いもありました。振り回され気質。
 また、当主代理と呼ばれる正流=次期当主の兄貴姉貴として、失意(峯継反魂事件)の六代目を父代わりに支えた……という裏設定もあります。


 PSP俺屍は様々な調整が入りボスも強化されているようで、特に大江山越え直後はかなりキツイため、その辺の心境が強く反映された世代となりました。
 苦境にあればあるほど人物たちの人間味が色濃く映し出されるような気がして、ある種の傍観者としては目を離せないのですが、一方で一族たちには苦しんでほしくない親心のようなものもあり……複雑な心境でした。
 そんなプレイヤーはお構いなしに、火属性武器を振り回して「燃えろ!」とばかりに戦場へ駆けてゆく彼らはまさしく闘魂世代でありました。
 もし業原一族にまつわる小説を三本書くとしたら、まず間違いなく一本はこの世代を選ぶと思います。
 それくらい思い入れが深いメンバーです。

 

 

 

【六代目と怒涛の男所帯】

f:id:tarte-tutan:20210613162246j:plain [晴道] 好物:雑煮
 六代目当主、壊し屋、男36番。お立、鎮守ノ福郎太の息子。

f:id:tarte-tutan:20210613162250j:plain [章継] 好物:ネギ
 継流、大筒士、男7番。峯継、琴ノ宮織姫様の息子。

f:id:tarte-tutan:20210613162254j:plain [衛実] こだわり:茶碗
 実流、槍使い、男30番。お清、赤羽根天神様の息子。

f:id:tarte-tutan:20210613162258j:plain [景正] 好き:賀茂川
 正流、弓使い、男29番。頼正、鳴門屋渦女様の息子。


 ついに初代以来の男当主が来た! ということで大喜びで壊し屋にした六代目当主・晴道でしたが、その道のりは過去の当主たち以上に厳しいものとなりました。
 母お立の遺言が「今度 生まれてくるときも  今日みたいに 天気のいい日がいいな」だったのがなんともドラマチック……な指輪継承だったのですが、直後に初陣の弟分章継を強行軍で喪いかけ、結果として(寿命ではあったのですが)弟分の父親である峯継を反魂の儀で落命させてしまうという「罪の意識スタート」の当主でした。
 また槌が全然当たらず、職業補正の関係で技もからきしだったため、“葛藤”の六代目という印象がとても強いです。
 見た目や職業や素質のキャラ付け自体は「裸一貫! 豪快男当主」のイメージだったのですが、プレイヤーがボスを避ける戦略をとっていたため、弟分たちを束ねながら慎重に歩を進める思慮深い家長に成長していったのが、いかにも俺屍らしいというか。真逆の人物像でした。当初の予定通りの人物に必ずしもならないのは、彼ら自身の魂が芽吹いているようで、もどかしさよりも愛着の方が勝りますね。
 ただ反魂の儀自体は完全にプレイヤー側のせいなので、彼には本当に申し訳ないことをしてしまったと今でも思っています。
 彼が息子尚道に訓練を付けたとき、初の40台を叩き出したのが忘れられません。初陣の息子を案じる親の情念がにじみ出てくるような数値でした。

 章継は顔グラからのキャラ付けで、兄貴分の当主と気の合うやんちゃ坊主の予定だったのですが、峯継反魂事件のせいで兄貴分が罪の意識に苛まれてしまうという随一のシンドイ展開を迎えます。「彼としては、五代目お立のことばかりが心を占める父が自分のために命を託した」というのはどちらかというと救いになりうる顛末だったと思うのですが(それがないと息子としてはちょっとやりきれないところもある……)一族初の反魂の儀を行った当主に当事者としてどう寄り添うか、が彼の人生のテーマとなりました。
 あれから進言で前列に出まくったり、鬼に狙われまくったり、体の水が伸びまくったり(必死で鍛えたか)と、六代目世代のケンカ担当と呼ぶべき奔放な戦いを見せてくれました。彼の出した答えは「託された命を使い切る勢いで戦いまくり、兄貴の闘志に火をつける」だったのかもしれません。
 また、寿命も反魂を受けた関係で最長となり、一線を退いた後も次世代の訓練をつけて師匠枠に収まりました。本当に、何でもこなす嵐のような野郎でした。
 二人分の命を背負った彼の遺言が「生きたりねぇよ、まったくよぉ…」だったのはあまりに出来過ぎていて……。

 ひときわゴツい顔を持つ衛実は、意外と茶碗にこだわる文武両道な面がある面白い奴でした。心の火と水がとびぬけていて、天真爛漫な母から一本気な漢が生まれた! と変に関心した覚えがあります。この心素質は最後までガンガン伸び続けて、悩み多き長兄と生き急ぎ次兄を仲裁するかのようなステータスに育っていったのが注目ポイント。
 また喪われてしまった槍術師を継いだというのも感慨深いんですよ。ずっと継流が担ってきたのに、ここにきて実流が。ちょうど入れ替わる形で継いだ槍使いの役割を、最終的にもとの次代継流である英継にバトンタッチしたのが……衛実……お前ホントに……。
 ちなみに彼が最初の氏神となりました。名前は「業原賢文聖」。文武両道な肉付けをなされた彼がこの名前を引くのも出来すぎてていいですよね。

 景正は兄貴分たちほどの強烈な個性がなかったためそれがコンプレックスという「逆個性」が際立つ野郎……と思いきや、出陣してからは稲葉ノ美々卯様、土公ノ八雲様を次々解放するなど二枚目なキャラ立ちをしてきて「やりおる……」とニヤニヤしながら見てました。
 またやたらと有寿の宝鏡を使って兄貴たちの能力を写し取りたがるなど、フィジカル面でガッチガチの兄貴たちに憧れているらしい動きが可愛い奴でした。父の剣士職を継ぎたかったのかもしれません。
 先述の通り六代目晴道がかなり攻撃を外す壊し屋だったため、最終的に剛鉄弓で討ち漏らしを処理する便利屋と化しました。
 また元服したときにイツ花が珍しく「お相手はどなたでしょうね!?」と強調してきたため、それとなく「オイオイ景正、イツ花に気があるんじゃないのか~?」な雰囲気があったりしました。
 選考試合で赤玉を使って相手方にトドメを刺すなど、何かとカッコつけたがりな立ち回りが多かった彼の遺言が「反省と後悔ばっかで みっともなくて 惨めだったし… 楽しいことも 少しはあったけど…」だったのがどうにも締まらなくて、やけに人間味に溢れていて、いなくなった直後はめちゃくちゃ寂しかったのを記憶しています。


 六代目世代は男所帯なのもあってやかまし一辺倒になるかと思いきや、事故のせいで複雑な人間模様を描き出す想定以上のドラマチック世代となりました。
 進言の一つ一つや「衛実が重い攻撃を飛ばしてきた鬼に意趣返しとばかりにクリティカルを叩き込む」などの数値上の動きでさえ彼らの人間性に直結していて、このあたりから一族に本当に魂が宿っているんじゃないか? と驚嘆を通り越して若干の怖さまで覚え始めていました。ランダムのはずなのに必然性が見えてくる。俺屍はほんとうに恐ろしい作品です。

 

 

 さて、このあたりで時間切れです。
 二世代にわたって深い爪痕を残す峯継という男のおかげでじっくり語りすぎたきらいがありますね。まさか尚道にたどり着けないとは……。
 次の記事では今度こそちょっとペースアップしたいところです。


 それでは次の日曜に。